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かつてゲーオタだったかもしれない人の日記

風来のシレン4感想番外編:アイテムという味方を疑う苦痛

シレン4をプレイした上で開発スタッフとの埋められない価値観の話がまだ続きますが、モンスター・世界観と並んで許容しがたいのがアイテムに対する価値観です。

これもまたズレを感じるようになったのはトルネコ3からですが、原因はアイテムの種類や効果そのものではなく呪い・祝福にあります。呪いと祝福自体はGB2で初登場しアスカにも採用されたシステムでもありますが、その2作とトルネコ3以降とでは決定的に異なる点があります。それは装備品以外の呪いと祝福が拾った時点で分かるかどうかという点で、トルネコ3~シレン4では未識別になっています。

呪いと祝福システムの中のさらに一部の違いがなぜそこまで許容しがたいほどのズレに繋がるのか…それには私の不思議のダンジョンにおけるプレイスタイルが大いに関係してきます。



私も長らくシリーズをプレイしてきた中で上達するために心がけてきたセオリーはいくつかありますが、その全ては「生き残る確率を高める」という一点に集約されます。

そしてそのために最も大切なのが運に頼らない確実性のある選択を選ぶことだと思っています。

「お互いあと1撃で倒れるという状況での次の攻撃は外れると思え」という格言が顕著な例ですね。必中が入っていない限りそのような状況で攻撃を仕掛けるのはタブーともいえる基本中の基本です。常に最悪の事態を想定し、それを回避できる確実性のある選択をしていくことこそが上達への近道であると私は信じてきました。

しかし「1,000回遊べるRPG」とのキャッチコピーが示すように不思議のダンジョン(ローグライク)というゲームはランダム性がウリであります。

「運に頼らない」とは言うものの、実際にはフロアに落ちているアイテム・フロアの構造・フロア内で出現するモンスターの割合・店やモンハウの有無・ワナの配置などなど多くに運が絡むわけであり、大局的には収束しても毎回計算のできる要素とはとても言えません。



では不思議のダンジョンにおいて確実性のある要素とは一体何があるのでしょうか。

「ターン制」
「通常時10ターンで満腹度が1減少」
「投射の飛距離10マス」
「巻物の効果範囲」
「ダンジョンごとのモンスター分布」

こういう要素は基本的に不変であり運に左右されることはありませんが、どちらかといえばルールの域に近いでしょう。知識としてプレイヤーの役には立ちますが、直接ピンチを救ってくれるわけではありません。

確実性があり、直接プレイヤーのピンチを救ってくれるもの…それがアイテムです。

アイテムには固有のさまざまな効果があり、その効果の有用性は非常に重要です。
しかし最も重要なのは「使うことで確実に決められた効果を発揮する」事です。

HPを100回復する弟切草
効果範囲内の敵を一定ターン眠らせるバクスイの巻物
対象を金縛りにするかなしばりの杖

例えば弟切草はHP回復アイテムとしてみれば全回復の背中の壺の方が全てにおいて有用ですが、私が言いたいのはそういうアイテムとしての価値ではありません。

「弟切草を使うことでHPを100回復できる」

ピンチを脱出する時に限らず、運に頼らないこういう確実な計算が出来ることこそが重要なのです。それはマイナス効果のアイテムすらも例外ではなく、逆に使えないのが分かっていれば選択肢から外すという確実な計算ができます。

アイテムの最大の強みはここにあります。



前述したように右を見ても左を見ても不思議のダンジョンには不確定要素が蔓延しており、単なる1回の攻撃ですら必中が無ければミスの可能性が潜んでいます。それはさながら地図もコンパスも無いのに霧の立ち込めた樹海を一歩一歩手探りで進むような心境です。恐ろしいことに後戻りも許されません。

そのような状況の中で効果に大小はあれど、確実な計算の出来るアイテムの存在はどれだけ心強い事でしょうか。

ですからピンチの時にはアイテムを惜しまず、稼げるときはどこまでも貪欲に稼ぎ、もっと不思議では識別に全力を注ぎます。それが数多くのダンジョンに潜る中で生き残る確率を高めるために培われたプレイスタイルの一部です。

私にとってアイテムとはダンジョンにおいて自分以外に信頼できる唯一無二の存在であり、強力な味方であると同時に心を許せる友なのです。

これが私のアイテムに対する価値観です。



再び呪いと祝福の話に戻りましょう。

初登場したのはGB2からですがこのシステム自体を否定する気は全く無く、むしろ選択肢の幅を広げる面白い要素だと歓迎しているくらいです。

なぜならGB2では装備品以外のアイテムの呪い・祝福状態が拾った時点でわかるからです。

呪われているのなら効果を発揮しない=マイナスアイテムと同じく使えないのが分かっているため選択肢から外す確実な計算が出来ますし、祝福ならばアイテムごとの強化された効果が計算できます。

という事はアイデアを出したスタッフも選択肢の幅(アイテムの数が3倍に増えたと私は捉えています)は広げても、不確定要素を加えてはいけないと判断したうえでこの呪いと祝福を採用したのでしょう。

そしてアスカでもまたGB2と同様の呪い・祝福システムが採用されております。

ところがトルネコ3以降は全てのアイテムの呪いと祝福が拾った時点で分からなくなってしまいました。
さらにはアイテムの名称と違い、一度識別済みでも次に拾った同種のアイテムの呪い・祝福状態は不明であり、言うなればアイテム名→呪い・祝福と2段階の未識別が用意されたことになります。

武器・盾・腕輪といった装備アイテムはいくら使っても消費しませんし、そもそも初代トルネコから変わらない仕様ですが、問題は草や巻物といった使いきりのアイテムたちです。

名称未識別は何らかの手段で一度識別してしまえばその冒険中はずっと判別します。
生き残るためには信頼できるアイテムが必要であり、序盤のうちから識別に全力をかけるのはそのためです。
しかし呪い・祝福の有無は名称と違い個々のアイテムを入手するたびに不明です。

一度使えば無くなってしまうアイテムがその場になるまで使えるかどうか分からない

一見呪い⇔祝福で相殺されているようですが、問題はこれでは確実な計算が出来ないことです。ましてや常に最悪の状況を想定する立ち回りならば、プラスの祝福よりもマイナスの呪いの可能性を考えて極力回避すべきものです。

杖や壺といった回数制の道具は一度使うことで判別できますが、それはすなわち本来の使用回数よりも1少なく見積もらなければいけないわけであり、使いきりアイテムほどで無いにせよストレスの元となります。

もちろん名称未識別と同様、識別の巻物・壺・拾い識別効果・そして店を利用した値段識別などを利用して呪い・祝福の識別にも全力を尽くし、確実性を高めるのは言うまでもありません。

しかしそれら識別のための手段も最終的に出現するかは運次第であり、確実に計算できるのは強いて言えばマゼルンによる杖合成くらいです。まして中盤までは呪い・祝福よりも名称未識別のほうがはるかに優先度が高く、巻物や壺といった回数制限のある識別方法はそちらへと回さざるを得ません。

この事から全てのアイテムの呪い・祝福状態を判別できた上で冒険を進めるというのは鑑定士の腕輪でも手に入れない限り不可能といっていいでしょう。

拾ったアイテムは例え名称が分かっていても、確実な識別方法が得られるまで信用してはいけない。
そして呪い・祝福を判別したとしてもンバマが化けている可能性まで考慮すれば、アイテムを完全に信用するのは不可能になってしまいます。



誤解無きよう書いておきますが、実際この仕様のオチミヅや浜辺もクリアしたことからクリアできない=クソゲーと非難しているわけではありません。異世界に至ってはもはや意地99%と言ってもいいくらいですが、とにかく一応受け入れた上で該当ダンジョンをクリアするまでプレイしたのは事実です。

おそらくこの呪い・祝福の未識別を採用したスタッフはハプニング要素が増えて面白くなると考えたのでしょう。
ですが、生き残るために確実性を最重要視し、アイテムを信頼してきた私にとってこの仕様は面白くなるどころか多大なるストレスをもたらすだけです。

この呪いと祝福の仕様はたくさんあるシステムの中でも些細な仕様変更で、それによってクリアが不可能になるほどの大きな影響はとてもありません。

しかしアイテムというこれまで何百時間と信じてきた唯一無二の味方さえも疑わなければいけなくなったという事は、私がこれまで築いてきたプレイスタイルとアイテムへの価値観を否定されたも同然であり、ズレを感じるのはそのためなのです。

今の開発スタッフが作り上げる不思議のダンジョンで私が学んだのは全てを疑えということだけであり、何を信じればいいのかは8年経っても一向にわかりません。

コメント

個人的にはGB2も高評価なのが不思議です…

上記のかさタヌキの仕様

異種合成も印の重ねがけもないのに印数がある

個性のない武器?防具

RPGのテンプレをなぞっただけのストーリー

奈落の果ての捻りの足りない爆弾ゾーン

一つ一つが鼻につき、奈落制覇後一回も手を出していません。

アスカが奇跡だっただけで、シレンシリーズは2までだったと思うのですがいかがでしょう?


月影村を高評価する自分の方が異常なのかも知れませんが…

  • 2010/05/21(金) 17:14:26 |
  • URL |
  • uno #-
  • [ 編集]

おっ、当ブログでGB2についてのご意見とは珍しいです。

という事で挙げていただいた部分について私の意見を述べさせていただきます。

>かさタヌキ
この記事の主題でもある「アイテムが信用できなくなる」という点において、私も好きではないのですが、1フロア降りさえすれば正体が分かるので許容範囲という感じです。

>印数制限
これはそれまで無かった装備の強化限界との兼ね合いによるものではないでしょうか。

>個性の無い武器防具
鍛冶屋の店限定装備が多いのはともかくとして(=持ち込み不可で手に入らない)、種類自体はそうでもないと思うのですが。

>テンプレストーリー
スケールはともかく世界観をないがしろにしてるわけでもないので…。

>爆弾ゾーン
一体どのような捻りをご所望なのか分からないので何ともいえませんが…敵の組み合わせ(即死狙い)と対処(不発の巻物)がストレート過ぎるってことでしょうか?


>シレンシリーズは2までだったと思うのですがいかがでしょう?

いかがでしょうかと尋ねられれば、申し訳ありませんが私はノーときっぱり答えさせていただきます。
これは他の場所でも書きましたが、私は3以外のシリーズは最高傑作の位置が人によってどれになってもおかしくないほどの傑作ぞろいだと思っていますので。
GB2に関していえばやはりゲームボーイであれだけの要素を詰め込んだというのが大きいですかね。救助だってGB2が初登場ですし。

ただ、

例のかさタヌキ仕様
初登場のオオイカリ
ギャザーの2ダメージ変換能力
ダメージ限界
ノコギガッター

などに若干「やりすぎ」感を覚えるのも少なからず事実です。通路が見えるおかげでバランス調整されているフシはありますが、人によっては後のトルネコ3やシレン3の兆候がこの時点であったという意見も頷けます。


>月影村を高評価するのが異端
いやいや、月影村はストーリーと余計な要素の無いシンプルさがシリーズファンの間で…どうかはわかりませんが、少なくとも私も評価していますよ。
もっと不思議が50階というバランスは他のシリーズでも見習ってもらいたいくらいです。

  • 2010/05/23(日) 01:43:51 |
  • URL |
  • 筆者 #mzMb781o
  • [ 編集]

一方的な質問に回答ありがとうございます。

管理人さんとシレンに求める条件が近い気がしたので、GB2を積極的に楽しめる機会になるかと思い、質問させていただきました。

爆弾ゾーンに関しての苦情は、やはり死因が「ウニ爆発のあと爆弾が飛んでくる」に限られるところですね。

あと、おにぎりの罠で罠チェックが慎重派のプレイスタイルから必須事項になってしまったのも個人的にはマイナスです。
まあ、アスカも裏白蛇などでは半強制になるのですが。

やはり、自分はGB2を好きになれないようですが、それは微妙な感覚の問題でGB2も傑作に値する作品なのは良く分かりました。

月影村の50スタイルは自分も好評価です。
4も不条理に死にまくる、二激の洞窟くらい50階に留めておくべきだったと思います。

  • 2010/05/23(日) 07:36:48 |
  • URL |
  • uno #-
  • [ 編集]

いえいえ、一口にシレンファンと言っても様々なスタンスの方がいらっしゃるわけで、こうしてご意見を聞かせていただくのも楽しいものです。

爆弾ゾーンは件のウニ爆発→ベアボーグコンボもそうですが、ワナも地雷中心だったりと殺しにきている感が露骨過ぎるきらいは確かにありますな。
実はそれでも明確な対策アイテムがあるだけ奈落はマシだったり…(苦笑)


>おにぎりの罠
GB2の話ですよね?
でしたらおにぎりの罠は3からでGB2(DS2)には存在していませんよ。
おにぎりの罠の登場で罠チェックが必須事項になってしまっているのは完全同意ですが。

デロデロ&焼きおにぎりの死因自体はこの作品が初登場ですが、両方とも非常に限定的でプレイヤーが狙わない限りまず起こせません。
そういう理由で履歴にもあったと思うのですが、どうも3以降のスタッフはその辺を勘違いして焼きおにぎり即死を普通に発生するようにしちゃってるんですよねぇ…。


これは私の主観ですが、奈落自体は歴代もっと不思議でもさほど評価は高くないと思うのです。
それよりも最難関の天下一罠道会やンフー連れての鍛冶屋持ち込み無しなどの方がダンジョンとしては攻略しがいがあって、そういう遊び方をしている人ほどGB2の評価が高くなるのではないかなと。

文章からunoさんはもっと不思議が好きとお見受けしますし、それならばGB2が好きになれないという感覚も十分理解できます。

そういえば3で30階と50階のもっと不思議があったこと自体は評価したいのですが、いかんせんそれ以前に(ry)

  • 2010/05/23(日) 13:27:57 |
  • URL |
  • 筆者 #mzMb781o
  • [ 編集]

>全てのアイテムの呪いと祝福が拾った時点で分からなくなってしまいました。

あれ?トルネコ3は半年くらい前にやってたけど、そんな事なかったと思いますが。
PS2版しかやってないからGBA版だとそうなのかな?

それはともかくトルネコ3は実験作としては優秀だったと自分の感想を。
その後の事考えると罪な作品ですが。

  • 2011/03/18(金) 02:52:05 |
  • URL |
  • kk #-
  • [ 編集]

>全てのアイテムの呪いと祝福が拾った時点で分からなくなってしまいました。

誤:全てのアイテム
正:未識別になるアイテム全て

昔からパンや矢などは未識別にならないので除外していたのですが、ここは若干言葉足らずでしたね。

さすがにもっと不思議(トルネコ3なら異世界)での話という補足は必要ないかと思いますが。

トルネコ3は…確かに一部で愛好者が出るのもよくわかるのです。ただ私にはどうしても受け入れ難かった、それだけの話です。

  • 2011/03/18(金) 23:08:26 |
  • URL |
  • 筆者 #mzMb781o
  • [ 編集]

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