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かつてゲーオタだったかもしれない人の日記

INSTANT BRAIN

インブレこと「INSTANT BRAIN」が終わったので例によって感想でも書きますか。
ネタバレは…公式サイトで名前が伏せられているキャラの辺りは黙っておきますが、最後までプレイしていることですし基本的にありと思ってください。
何といいますかいろいろと見誤っていた感じです。

といいますのも私は当初このゲームは推理もののADVだと思っていたのです。
過去が撮れるカメラ「エクスポ」という反則アイテムがあるにせよ基本的には現実世界に準じたトリックや物理法則、動機で事件が展開し、それを主人公のゼンヤが推理で解決していくような内容だと。

1章の時点では実際にうまくいくとは思えないトリックやそもそも犯人の立場的に家賃100万以上のマンションに住めるのかといった部分に首を傾げながらも読み解き、2章の時も犯人の心理状態(計画的犯行でもないにも関わらず、わずか10分前に殺害していたとは思えないほど平静な応答)や1章と同じく理論上はそうでも実際にだましきれるとはとても思えないライトのトリックでモヤモヤした感情が溜まっていきました。


そして3章にてエクスポで撮った写真が証拠になった時に私の中で針が振り切れました。


いやいやいや!これはダメでしょう。
パパラッチだから隠し撮りさせてもらったとか苦しい言い訳しても、そんなもの捏造写真と言われてしまったらそれまでではありませんか。

エクスポで撮った写真が事件解決の糸口になるのは設定上ごく当たり前のことなのですが、同時にエクスポの能力で撮った過去の写真を証拠として提示することは不可能です。そりゃそうです。
実際それまではゼンヤ自身もその事を踏まえたうえで事件を解決する際、エクスポの能力で撮った写真は証拠として提示することはしていなかったのですが、ついに3章でそのタブーを破ってしまったのです。

しかし周りの誰一人その事にツッこむ人はおらず、ついには当の犯人さえその写真の出所を訝しがることなく自ら犯行を自供してしまう始末。といいますか全体的にシラを切れば少なくともその場では証拠不十分で通りそうなのに、ゼンヤのハッタリに煽られてか何故か自供する犯人が多いですこのゲーム。だいたい写真選択の場面で「何も提示しない」のが正解というのがけっこうある時点でどうかしてるのですが。

これを境にその後の推理パートはやりたい放題になっていきます。
4章ではプレイヤーの知らない証拠(犯人の髪)が決めてとなり、5章の爆弾探しに至っては選択肢が完全運任せ、事実上最終章の6章では一触即発の爆弾解体の順番を自分の強運に任せるという始末(一応最後に関してはいたずらの順番と写真の関係が把握できれば推理できるのですが…)。

事件が起きた際はまず関係者の人間関係から動機を探っていくのがセオリーでしょうが、その点においても犯人が罪を認めた後にベラベラと身の上話を語るパターンばかり。といいますか実は動機すら最終的な黒幕に操られていたとあってはそういった捜査のセオリーが意味を成さないことを体現しています。

私はADVにさほど詳しいわけではないのですが、「動機」「トリック」「証拠」といった推理ものにおいて重要であろう要素ははっきり言って金を取っていいレベルではありません。

とまぁ当初予想していた「推理もののADV」として見れば酷評されるのも致し方が無い作品です。

そう、「推理もののADV」として見れば…冒頭で書いた見誤っていた一番の部分はここです。



単刀直入に言いますと今作は「推理もののADV」ではなく「TVドラマもののADV」なのです。
端から推理ものであるという認識を捨て、とある超能力を持った主人公が繰り広げるTVドラマ、あるいは火曜サスペンスであると踏まえてみましょう。

その上でもう一度ストーリーやキャラクター、演出を検討してみるとどうでしょうか。

まずストーリー、事件としては1章ごとに完結しているものの、その中で失われたゼンヤの過去の記憶・そして写真に写る謎の少女という物語の主軸が少しづつ展開され最終的には1本の線で繋がるという構成が光ります。

キャラクターは風貌・言動と合わせていずれも印象に残るキャラクターばかりです。といいますかそもそもキャラの名前がほとんどCAVEネタの時点でアレなのですが。
女性陣は清純派アイドルのはずのキズナからして下乳まるだしですし、ミクリやフーカもどんな世界の警察だよとツッこまずにいられない格好ですが、男キャラもウエッハが元ネタまんまの眼帯だったりそもそも主人公のゼンヤからしてゲイくさい格好だったりとたまりません。キャラデザがかみりさんだけあってエロさもありますが、全体的には色気もおバカさも兼ね備えていろいろとぶっ飛んだ実にナイスなキャラ造詣になっていると思います。

言動のほうで特筆すべきは方言監修スタッフもいるくらいなぜか方言キャラが多いこと(笑)
関西弁・京都弁・東北弁・広島弁・名古屋弁といろいろ取り揃えております。厳密に合っているのかはともかくとして無駄にすごいです。特にカスミは強烈な名古屋弁と一番かみりさんらしいデザインでインパクト大です。
方言キャラではないですが、個人的には絵筆ウィンディが元ネタのウィンディアということもあっていいキャラしていると感じました。なんぜ出州間(洲かどっちだ)プロデューサーに対する評が「使い古したコットン」ですぜ。

演出においては最初のうちは(推理ものだと思っていた)写真選択時の「ガシャーン!」という効果音が間抜けで仕方が無かったのですが、段々後半になってくるにつれ全然大した事のない選択ですらあの大袈裟な効果音が流れることで逆に笑えてくる始末です。会いにきた人物の写真提示するだけで警部とかリアクションでかすぎだろと。
ゼンヤの「○○。あんたの真実撮らせてもらった」というキメ台詞も、最初は失笑ものでしかなかったのですが、最終的には金田一少年の「じっちゃんの名にかけて!」やコナンの「真実はいつも一つ!」みたいに決め台詞として愛着がわきました。

TVドラマ的という意味で言えば、犯人が特定後に動機や身の上話を自供しだす流れというのも火曜サスペンスでよくあるパターンですし(ですよね?)、動機が芸能界のドロドロした面にまつわるものばかりというのもすごくらしいです。まぁ前述のように一連の流れは全部黒幕が糸を引いていたわけですが、それもそれでやっぱりらしいです。

またパッケージに載っているゼンヤ以外の女キャラですが、いわゆるギャルゲーでいう個別ルートのようなものは存在しておりません。TVドラマ的に考えれば「ヒロイン」ではなく「レギュラー」という位置付けの方がしっくりきます。まぁある意味写真の少女こそがヒロインなのですが。

好意的解釈かもしれませんが連続もののTVドラマを見るような認識に改めると、今まで陳腐でトンデモとしか思えなかった要素の数々がキャラに個性を与え、純粋にストーリーの先行きが楽しみな作品になっていったのです。ですからオチについても別に不満は感じませんし、7章も最初の被害者の時点で展開がバレバレでしたが後日談的な内容としてあれで良かったと素直に思いました。



ここからはそういった推理もの、TVドラマものといった認識に関係なく、ADVとして気になった点をいくつか。

以前にも書きましたが、写真選択シーンでの粗さや不親切さ。
1章の時点でファルコン像のことは書きましたが、それ以降も指摘する場面でちょっとどうかと思うのが何度かありました。典型的なのが5章の人物指定でして、あんな小さいのわかるかと。いや、実際3回目で当たったのでわからないことはないのですが、他に指摘できそうな箇所が無かったからとりあえずチェックしただけで、決して怪しいと睨んでチェックできたわけではありません。

写真選択の際、現在どういう目的の写真を選ぶのかというメッセージが表示されていなかったり、バックログで確認できないのもマイナスです。

何というのでしょうかね、システムや設問が正解を全て知っている開発側の視点で作られていて、プレイヤーの事を全然考慮していないのです。

写真がキーとなる作品でせっかくフォトギャラリーがあるのに、ゲーム中の縮小表示だけで拡大やオプションメッセージの消去が無いというのも非常に残念です。

特定のポイントでキーとなる写真を撮るのがウリの筈なのに、失敗してもバックログで戻れるため全く体をなしていないのもゲーム性の面で言えば残念きわまりません。

他にも細かい不満をあげればキリは無く、処女作ということを差し引いてもシステム面ではもっと他の優秀なADVを見習ってほしいと思うデキでした。



いろいろと書いてきましたが、間違っても名作だとは思いませんしオススメADVとして人に奨めようとも思いません。シュタゲみたいにとりあえず360持っているのならプレイしておいて損は無いなんてもってのほかです。

CAVEネタに理解があって、推理もののADVではないと割り切ってプレイできればたぶん楽しめるのではないでしょうか。

…と純粋にゲームとしての評価は結構厳しくならざるを得ないところなのですが、そういった事を踏まえても個人的にはプレイ後は結構気に入った作品になったのは確かであり、もし機会があれば続きもプレイしたいなと思えた作品でした。

コメント

カスミさんかわいいよカスミさん

お久しぶりです。
ガルーダIIがやっとクリア出来て、怒首領蜂やりたさにADVゲームに手を出してみました。
ADVというとサクラ大戦とジ・アンソルブドで時が止まっているのでやや期待をしつつ
(シュタゲはアニメしか見てないし…)
昨今のADVってのはどんなもんかなーと思い本編だけでも終わらせてみると…今回の日記に「そうそう、そうだよ」と相槌を打ってました。あら不思議。
エクスポで撮った記憶の写真は直接の証拠にしちゃダメーってのはASDさんも秋葉原のイベントで話してた気がするんですが…

写真選択時に目的を表示して欲しかったのも同意見です。
撮り損ねたキーフォトを回収しようと思い再度同じ章をやり直した際に
スキップしてガンガン飛ばしてたら「あー、ここ何選ぶんだっけ?」てな事になったりしました。
もっともログで戻れるから支障はありませんが、ちと面倒ですね。
5章の「BOMBさんを探せ!」は「おいおい、ドアも掲示板もダメ?後ろの車両か?あ、合ってた…って人いたのかよ!!」
とミクリの目の良さに突っ込まずには居られませんでした。
と、色々システム面や推理パートには不満や疑問もありましたが、キャラに愛着(特にカスミさんと団我さん)も沸きましたし、ストーリーも続きが気になる作りになってたので楽しかったと思います。

最後にまだ突っ込みたい点
・4章でシーが「ご神木には強度的に体重の軽い女性か子供しか登れません」みたいな事を言った時点でもう答えが出てる気が…
・イッセイが挙げた少女たち以外の人物で、ウェッハと茨さんは別に悪い事してなくね?と…

  • 2012/01/09(月) 23:44:18 |
  • URL |
  • SK #-
  • [ 編集]

BOMBさんのゲイ設定は必要だったのか

お久しぶりです。私はティンクルスタースプライツや弾魂やグラリバ辺りを適当にやっています。

>昨今のADV
割と昔のADVを意識したと浅田さんは以前言っていましたが、ゲームの進行自体は選択肢無しで読み進めていく昨今のノベルタイプに近かったなと思います。
この手のADVに対して賛否両論はありますが、ACTやSTGと違って疲れているときでも気合を入れず気軽に進められるのは利点なので、気が向いたら評判の良い作品をいくつか遊んでみるのもオススメですよ。

>写真選択時のメッセージ
しかも推理シーンとか連続で写真を選ぶ箇所が多いせいで下手にスキップするとホントそんな事態になっちゃうんですよねー。

>こちらはボムの方になります
そもそもゲイブさんが居る事に気が付いても、それの何が不自然なのか全く気付かなかったり(汗)

>突っ込みどころその1
キリンのパンチラシーンばっかりでメイドがそんな事を言ったのか記憶にアリマセン(駄)

>突っ込みどころその2
茨さんはイッセイからすればあの脚本のせいでアキが…という事だと思います。
ウェッハは…彼だけガチのアイドルストーカーだったのでしょうか。結構前なので忘れているかもしれません。後でもう一度見直してみますか。

(追記)
見直したら舞台設計をしたのが当時建設会社に務めていたウェッハだったって思い切りイッセイが解説してくれていました。

  • 2012/01/11(水) 23:29:55 |
  • URL |
  • 筆者 #mzMb781o
  • [ 編集]

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