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かつてゲーオタだったかもしれない人の日記

メダロット5

メダロット5も一通り終わったので例によって例のごとく感想でも書くことにしますか。ちなみに今回はカブトです。
5といっても3と4の時に書いた文章があんな感じでしたから、「登場キャラとメダロットの種類が増えたいつものメダロットです」と一言で済ませられる…と思ったら大間違いなのです。
1・2・3とシリーズを重ねたり、アニメを見たうえでの4も集大成として非常に楽しめるデキだったのは確かなのですが、単体の作品としてならば今回の5こそが私にとってシリーズ最高傑作だと断言してもいいでしょう。

それはなぜかと言いますと
「ゲームの大部分を占めるロボトルの面白さがシリーズ随一であるから」
これが大きいです。

その面白さを語る上で外せないのが今作で導入された様々な新システムや調整でありまして、それらによって1~4までのロボトルとは一線を画す内容になっているのです。

ではそれら新システムや調整がどのようなものか挙げてみることにしましょう。



肥大したボリュームのスリム化とパーツバランスの調整
新システムの解説と見せかけていきなり調整の話からしますが、ある意味最重要なのがこれかもしれないので最初に書きます。

今作で登場するメダロットの機体数は約150体と4から100体近くも減りましたが、全て新機体です。主人公機となるKBT型のクロトジルやKWG型のシンザンなど過去に登場したメダロットの後継機となる機体もいくらかいますが、全体としては新型機のメダロットの比率がかなり高いです。

こういう収集要素のあるゲームは新作の度にボリュームが増えていくのが常であり、実際メダロットもナンバリングを重ねるたびに次々と機体が増えていきました。キャラゲーでもあるのに、それを一新したのはかなり思い切った判断です。
新機体の多くは虫や動物、植物といった自然をモチーフにしたものが多く、本作の舞台と合わせてもともとメダロット本来が持っていたイメージととてもマッチしています。やや安直な傾向はありますが、分かりやすさの面でも同様です。

そして機体の一新と同時に各パーツごとの行動や性能も見直されました。
例えばおなじみかつ絶大な威力を誇っていた完全防御やレベルドレイン、4で猛威を振るったタイムアタックといった強力な行動が削除されました。その一方で加護や刻印付加、封印解除、体勢破壊といった効果が微妙だったり限定的すぎる行動も削除されました。パーツのパラメーターについても、プレシスやコロナビームのようなぶっ壊れた性能のパーツは削除され、上位下位互換も減り、(それでも一部に強力なものはあるものの)全体的に一長一短で取捨選択しがいのある数値に調整されました。また3と4で採用されたメダチェンジも5では無くなりました。

機体数の減少や行動の削除などは言葉を変えれば「前作までできていたことができなくった」わけであり、ともすれば続編として退化しているとも言えます。シンプルになった点について不満が出るのもわからないでもありません。しかしこれらは技術力の不足や怠慢、嫌がらせといったネガティブな要因からくるものではなく、肥大化した従来のシリーズを前にして新しいメダロットの姿及びゲームとしての面白さを優先した結果なのです。


メダスキル
これまでのメダフォースに代わる必殺技として導入されたのがメダスキルです。
効果的にはメダフォースと近いですが、1つのスキルにつき1回しか使えなくなりました。ただしその分、通常のパーツ使用でも発動に必要なスキルゲージが貯まり使いやすくなったのが特徴です。
どのメダスキルでも消費量が一律なのはちと難ですが(効果の差が激しいため)、より使いどころを見極める必要が増えました。


リーダースキル
リーダーのメダルによってロボトル時に何らかのメリットが得られるようになりました。
デメリットは一切無いのでぜひ活用したいのですが、クリティカルヒット率の上がるもの(クリットぞうか)や全パーツの装甲が10ずつ上がるもの(そうこうぞうか)など強力な効果もある一方で、ダメージを受けると威力が上がったり(たいげきいりょく)アンチ系のダメージを4分の1に抑える(アンチアンチエア・シー)など微妙なスキルも存在したりとメダルごとの効果はまちまち。といいますかクワガタのクリットぞうかと比べてカブトのたいげきいりょくが微妙すぎです。


メダコンボ
パーツごとにジャンケンのマークが設定され、これを繋げていくと「成功2倍」や「ペナルティ無し」などいろいろなボーナスが得られるというシステムです。数が大きくなるほど効果も大きくなりますが、敵に妨害されたりNGを出してしまうと終了してしまいます。毎回判定が行われるため若干テンポが悪いですが、うまく狙っていくとロボトルを有利に進められます。


メダルトランスフォーム
簡単に言ってしまえばメダルの分岐進化です。
これまでの作品でもレベルが上がると絵柄が変化しましたがメダルの能力はそのままでした。
ところが5では特定のレベルに達すると変化するメダルの絵柄が分岐するのです。

例を挙げると「カブト」メダルはレベル20で最初の変化が訪れますが、その際「アヌビス」か「タテヅノ」を選ぶことになります。

それによって何が変わるのかといいますと「習得メダスキル」と「熟練度レベル」が変わります。

メダスキルは上に書きましたが、元が同じメダルでも分岐の仕方によって覚えられるメダスキルが変わってくるのです。

熟練度レベル…の前に5の熟練度システムについて。
3と4にあったメダリアシステムもまた廃止され、基本的には1・2のようにどのメダルでも全ての行動の熟練度が存在します。ただし熟練度の上がりやすさにはメダルごとの差がありまして、それを決定付けるのが熟練度レベルです。レベルはメダルごとに固定でして当然高いほうが熟練度が上がりやすいです。
この熟練度レベルが変化するのが唯一メダルの進化によってでありまして、例えば前述の「カブト」から「アヌビス」になると「うつ」の熟練度レベルが2から3に上がります。逆に「タテヅノ」だと「うつ」は変化せず「ねらいうち」の熟練度レベルが2から3に上がります。
これだけですと絵柄の変化によって熟練度の上がりやすさは変わるけれど、時間さえかければ最終的には同じ(1や2のように)ように思えますがそうではありません。
実は5ではこの熟練度レベルによって威力が加算されるようになっておりまして、同じパーツ・同じ熟練度であっても熟練度レベルの高いほうが効果が大きくなるのです。これによりメダルごとの得意分野の差別化がより明確な形になったのです。

分岐進化はどのメダルでも大体2~3回(20・40・60)ありまして後戻りは出来ません。ちなみにメダスキルは変化しますが、リーダースキルや性格は変化しません。

このメダトランスフォームによって自分のメダロットをどう育てるのか楽しい悩みが増えました。



機体の一新、バランス調整に始まり数々の新システム導入、これらによって生まれた5のロボトルは誇張抜きでシリーズ最高傑作と言って良いです。ラスボスのハードネステン戦はそれを象徴するシリーズ屈指の強敵でしょう。

バランスを崩している部分を強いてあげるのなら…症状格闘でしょうか。
1・2では発生するかはランダム、3・4では確実に発生するようになったものの威力が通常格闘の約半分と使い勝手の悪かった症状格闘ですが、この5では確実に発生するうえに威力も通常格闘同様と一転して強力になりました。実際オサムの使うヴェイグマン辺りはかなり強いですし、ハードネステンもレッドアンテナの左腕がむしゃらメルトで溶かしまくって倒しましたから。

それを差し引いても5のロボトルは本当に本当に本当に面白いです。

その裏には肥大化したシリーズを前に何を削り、何を残し、そして何を加えるのか苦心に苦心を重ねた開発スタッフの姿が見えます。



とまぁ戦闘に関してはもはやロボトルの完成系とも言える位ベタ褒めしてしましたが、逆に戦闘以外の部分はどう見ても開発途中で発売したとしか思えないところが擁護不可レベルで多すぎです。

代表的なのが入手不可の機体とパーツです。
ここでいう入手不可というのはカブトのみorクワガタのみ入手可ということではなく、どっちのバージョンでも入手できないということです。これが10体=40パーツ近くあるというから困ったものです。出現テーブルの設定間違えたんじゃないのか。

マップやイベントもすすたけレイクの森をはじめとして、もともと何かイベントを用意する予定だった名残がそこかしこに見られるのも気になります。

ストーリーもぶつ切れで突然場面が変わったり、急展開という箇所が多く、特に終盤のほうは打ち切り漫画のような展開の速さに驚きます。
加えてクリア前は移動できる範囲がほぼ制限されるため、取れる時にパーツを取っておかないとクリア後まで狙いのパーツが入手ができないということになりがちです。

他にもメダリンクを一回もやっていないのにいきなり1位になっていたり、自室の机の上に人形を飾ろうとするとバグったりと、戦闘システムを完成させるだけで力尽きて他は未完成のまま発売してしまったと思われても仕方が無い部分が多いです。



さて、えらく後になりましたが今作ではメダロットやシステムだけではなく、登場人物や舞台までもが一新されました。

主人公はコイシマルという太眉のキャラになり、すすたけ村という田舎とその周辺を舞台にストーリーが展開されます。仲間やライバルなど登場するキャラも全て新キャラで、過去作のネタはところどころにあるものの過去作のキャラは一切出てきません。イッキはもちろんヒカルもレトルトもアリカもコウジもカリンちゃんもスクリューズもメダロット博士もロボロボ団も出てきません。なんと驚くことに名物レフェリーのミスターうるちまでもが出てこないのです。ちなみに審判を務めるのはミスターカバシラという新人レフェリーです。一応セレクト隊はいますが、あくまで警察やコンビニのように施設として存在している程度です。

そのコイシマルが転校してきたすすたけ小学校で廃部寸前のメダロット部を立て直しつつ、仲間とともに各地のメダロット大会で勝ち進んでいくというのが大まかなストーリーです。
熱血ながら思いやりもある主人公らしいコイシマルをはじめとして、仲間となるキャラたちもストーリーが短いながらもキャラが立っており、前作までのキャラたちに負けない魅力的な人物が描かれています。イッキ達の話はイッキ達でしか展開しえない物語でしたが、この5の物語はメダロットが一般的な世界での片田舎で展開されるお話ってな感じでしょうか。惜しむらくは上に書いたようにメインキャラ以外を掘り下げる間もなく打ち切られてしまったようなストーリーが…。

メダロットやロボトルのシステムを一新したのはゲームそのものを面白くするための思い切った判断ですが、まさかこれまで長い間親しまれてきたキャラまでもスッパリ一新するとは、ロボトルのシステム変更以上に反発を受けてもおかしくありません。
しかしその内容を見れば決してシリーズをないがしろにしているのではなく、過去のイッキ達の人気に頼らず新しい世界観を生み出そうとする意欲を感じられるのではないでしょうか。繰り返しますがミスターうるちまでも変えるって相当ですよ。


キャラクターや舞台の一新に加えてもう一つ忘れてはならない部分があります。それは戦闘曲でして、今作ではシリーズ恒例BGM「ロボトルファイト」までもが削除されました。そして代わりにタイトルでもアレンジされているBGMが戦闘曲の1番になりました。この曲は大変すばらしく、最初のロボトルで流れたときから耳に焼き付いて離れなくなりました。
プレイヤーにとって何千回と聞いているであろう恒例の「ロボトルファイト」に代わるほどの名曲であり、これもまた他の要素と同様作曲者の意欲とその結果が伺えるのではないでしょうか。



今作は未完成な部分が多々見られる残念な作品でもあります。といいますか同じ年の3月に4を出し、9月にGBAでナビを出し、12月にまたGBCで5を出すなんて開発ラインがどれだけあったのかは知りませんが出しすぎです。

未完成でこれだけ面白いのですから、もっと作りこめばと後悔の念は尽きませんが…しかしそれでも私はこの5がシリーズで最高傑作だと断言して憚りません。

それは冒頭で書いたようにロボトルの面白さがシリーズ随一であるからなのは確かです。
でもそれだけでは無いのも最後まで読まれた方なら分かっていただけたでしょう。

従来のものを切り捨てて新しいものに挑戦しようという意欲は大事ですが、その結果劣化させてしまっては意味がありません。しかし今作はそういった過ちを起こさず、アイデアとシステム次第でメダロットはまだまだいくらでも面白くなる可能性…いや、可能性ではなく実際に面白くなることを見せてくれました。

メダロット5、これぞまさしく次代のメダロットと呼ぶにふさわしい傑作です。

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