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かつてゲーオタだったかもしれない人の日記

ダンガンロンパ

PSPのADV「ダンガンロンパ」が終わったのでいつものごとく感想でも。なおそれなりにネタバレありです。
とりあえず一言。
現代の中学生向けのラノベってのがこういう感じなのでしょうかね。

パッケージで面白そうと判断せず、体験版をプレイしておくべきだったかなと後悔しております。
よってこの先かなり辛辣に扱き下ろすつもりなのであしからず。

そのためにもまずは簡単にゲームの流れやあらすじなどを解説しておきます。



「超高校級の人間」ばかりが集まる学園に「超高校級の幸運」で入学した主人公ですが、入学当日に突如として気を失ってしまいます。目が覚めると周りには新入生の「超高校級の同級生」14人たちがいましたが、他の皆も主人公と同じくような状況で混乱します。さらになぜか学校内には自分たち以外誰一人として生徒も先生もおらず、さらには玄関や窓など外へ繋がる出入り口が何者かによってことごとく封鎖されてしまっていました。

ますます混乱する主人公たちの前にモノクマと名乗るドラえもんボイスの妙なクマのぬいぐるみが現れ、主人公たちはこの閉鎖された空間で一生生きていくのだと言い放ちます。当然反発する主人公たちに、モノクマは外へ出るための条件を提示します。

それは自分以外のクラスメイトを殺すことです。

正確には誰かが殺害されると学級裁判が開かれ、犯人捜しが行われます。そこで逃げ切れば犯人だけが外へ出ることを許され、残ったクラスメイトはおしおきされます。逆に犯人(クロ)が正解だった場合は犯人だけがおしおきを受けます。

大体こんな感じの導入部です。
閉鎖された環境において仲間を殺した人間だけが卒業できるというルールが生み出す信頼や疑いといった人間関係の駆け引きが魅力なように表面上は見えるのではないかなと思います。

一方ゲーム部分はと言いますと、大きく分けて(非)日常パートと学級裁判パートに分かれております。
(非)日常パートでは外への脱出方法を探る中で他のクラスメイトと過ごせるようになっていて、当然過ごした回数が多いほどその人物との親密度が上がります。すると後述する学級裁判で役立つスキルが手に入ったり、仲良くなったことでいろいろなエピソードを聞けたりします。

(非)日常パートを進めていくと本筋のストーリーが進行し、遂には恐れていた殺人事件が発生します。すると一連の捜査の後、学級裁判が始まります。

学級裁判の基本的な流れとしては「殺害方法」「アリバイ」「凶器」といった議題が提示され、その議題について語るキャラたちのセリフがアニメのように字幕で流れていきます。
セリフにはところどころにウィークポイントという攻撃箇所がありまして、事前にセットした証拠・証言といった「コトダマ」をぶつけることで論破でき話が進んでいきます。
特徴的なのは流れてくる字幕へコトダマをぶつけるというガンSTGのような点でしょう。またコトダマとして放てる証拠・証言も1シーンで複数あり、適切なものを選択しつつ矛盾した箇所に撃たないと論破する事が出来ません。言葉の弾丸で論破するからダンガンロンパってな具合です。

時には通常の議論だけではなく、音ゲーのようにタイミングよくボタンを押して相手を言い負かしたり、浮かんでくる文字をクリックして単語を完成させるミニゲームがアクセントとして入る事もあり、最後には漫画の抜けたコマを埋めるような形式で事件の流れを振り返る「クライマックス推理」が用意されています。

(非)日常パートで獲得したスキルは照準のブレが少なくなったり、口ゲンカのときに相手に与えるダメージが増えたりとここで役立つものが多いです。

グルグル回るカメラワークに論破の際のガラスが割れるような演出を見ながら、次から次へと論破していくのはなかなかにスピード感があり演出的な面では悪くないです。


とここまではあらすじとシステム及び特徴をざっと解説しまして、まぁここまではそれほど引っかかる部分もありません。本題はここからです。



このゲームの問題点。
一応あくまで私個人の印象という事を強調しておきますが、ストーリーとキャラが壊滅的で世界設定がペラペラ。要するにシナリオがゴミということです。

何というのでしょうかね現代的なアレ、そう、非常にラノベ臭いんですよ。いろいろと。

~※以下の羅列は筆者のラノベというものに対する偏見が多分に含まれています~

・奇妙な外見とセリフまわしでキャラ付けしてるところ
・漫画やアニメなどの有名なシーンのパロディを多用しているところ
・メタネタを入れてくるところ
・哲学的なセリフを意味深に用いるところ
・「シュレーディンガーの猫」とか使ってしまうところ
・当然起こりうる細かい疑問を放置しちゃうところ
・トリックや動機が意味不明なところ
・たかだが学校の図書館に国家機密レベルの情報が集められているところ
・学生のクセに傭兵とか出しちゃうところ
・男の娘を登場させるところ
・やたら絶望だの希望だの連呼しちゃうところ
・平凡な主人公がすごい才能を持った周りの人たちにチヤホヤされるところ



メモしていた文章を改めて書きだして「うへぇ」ってなりました。

最後の「平凡な~」のとこなんて、「なんの取り得もない普通のいち高校生のボクが各分野で活躍する有名人と仲良くなって、気が付けば周りから一目置かれて頼りにされる存在になっちゃった」という思春期の願望丸出しで、モテるのが美少女以外にもいるという以外はハーレム系と構造が大して変わらないです。概してラノベといいますかいわゆる中二要素も多分に含まれていますが、いずれにせよ途中で進める気が減退していきますよそりゃ。

で、こんなんですからいざ殺人事件が起こってもお察しです。
いや、トリックや推理もミステリーに詳しい人からすると失笑ものなのでしょうが、個人的にその辺はあまり期待していなかったこともあるので深く言及はしません。

いきなり最初の事件でダイイングメッセージがまんま犯人の名前だったとか、「証拠隠滅のために鉄格子の隙間から10m以上先の焼却炉の入り口に血の着いた衣服を投げ込むことが可能なコントロールの持ち主」と「超高校級の能力」とやらで容易に特定されてしまうとかありますが、まだ見てられない事もありませんでした。動機も他の皆を殺してまでやるほどとは到底思えず、全然犯人には感情移入できないわけなんですが、それでもまだこの閉鎖された状況と「外に出たい」という思いが絡んでいるだけマシでした。

完全に見切るきっかけになったのは2番目の事件でした。

概要はざっと書くとこんな感じです

被「僕は弱いから君みたいに強くなりたい」
犯「俺は強くねーよ」
被「そんなこと無いよ(悪気なし)」
犯「うるせー!テメーに何が分かる!」
被「えっ(困惑)」

そばにあったダンベルで撲殺


動機:ついカッとなって殺した

…いや、ホントにコレだけなんですよ。

一応背景として犯人は家族を事故で死なせてしまったという過去があって自分の事を強くないと言ったのです。
コレがもし意図的に傷口をえぐるような言い方でもされたのならともかく、被害者はそんな事は露ほども知りません。ただ純粋に憧れで言っただけで悪気0です。いや、仮に悪意があったとしても殴れよ。何鉄の塊使ってんだよ。

といいますか外に出ようとする理由を絡めろよ。

その後学級裁判を経て犯人のおしおきという名の処刑パートでは、遠心分離機にかけられた犯人がバターになる始末で、そしてそれを見た主人公がシリアスに「ここでは命は驚くほど軽い」といった感じの発言をかましてくれます。

えーと、どこで笑えばいいのでしょうか。

そこまでラノベ臭い日常パートを我慢しながら続けてきましたが、もうここでシナリオはまともに取り合う価値のないゴミと判断し、以後はこういうものだと割り切ってさっさと終わらせることにしました。



その後は流し読みでチャプター3~5と進めていきました。

そうなると不思議なものでこれはこれでこういうものだと割り切って深く考えずに読む分にはアリかもしれないと若干思うようになっていったんですよね。

またこの辺りまで来るとストーリーも中盤から後半に差し掛かってきまして、残っている人数も最初の半分にまで減ってしまいます。
そのおかげで一人あたりのテキスト量が増えそれに合わせて内面の描写も増えてくることで、それぞれが一体どういうキャラクターなのかが見た目だけでないきちんとした意味でおぼろげながらも見え始めてきます。すると自然と相乗効果で仲間意識や疑いといった人間関係にもハリが出てくることになります。

この事から言えるのは最初の人数が多すぎるということです。

結局そのせいで一人あたりに割ける描写の量が減り、いざ肝心の殺人が起きたとしても犯人・被害者双方の描写が薄いためプレイヤーとして感情移入しづらい、端的に言えばどうでもよく見えてしまうのです。
また(非)日常パートで仲良くなっていくシステムもそのキャラが死んでしまえばその回はそれ以上進行不可のため相性がよくないです。親密度が高ければそのキャラが生き残ってエンディングが変わるという訳でもなく、死ぬキャラも固定です。分岐させるだけのテキストを用意するのが大変なのでしょうが、こういうストーリーだけにもったいないです。



こうして割り切ることで多少評価が上がったのも束の間、黒幕の正体が明らかになり同時に主人公たちが学校に閉じ込められていた理由などが明かされるのですが、そこでやはりシナリオがどうしようもないガンである事を再認識させられました。

まずは黒幕の正体は別に意外と言うわけでも無いのですが、とにかく言動が悪い意味で酷いといいますか痛いです。「超高校級の絶望」という肩書きの元、1セリフごとに口調や声色を変化させれば精神が不安定で狂ったキャラに見えるだろうというスタッフの狙いがミエミエです。
なぜ黒幕が事件を引き起こしたかという理由に背景付けは無く、ただ単に人々の絶望する表情が見たいからという単純な理由です。理由も無く狂っているというのは上手く表現できれば理解不能な恐怖の対象と成り得るのですが、このゲームの場合前述のコロコロ変わる口調や追い詰められて小細工を弄すため小物臭が強く、また中二病をこじらせたかのごとく絶望絶望連呼するため非常に安っぽく感じられます。最後は今までの処刑を自分が受けることが最高の絶望として喜んでいきますが、だったらさっさと自殺でもすれば絶望を味わえたのにと思います。

結局のところ黒幕は絶望や狂っている事がカッコいい事だと勘違いして、それを演じて悦に浸っているだけのファッションキチガイに過ぎません。少なくとも私にはそうとしか感じられませんでした。それはつまるところキャラクター描写に説得力が無く、ひいては開発者(特にシナリオ担当)の能力の低さが問題なのでしょう。


そうなのです、最初に戻りますが根本的にストーリーやキャラクター・世界設定などシナリオ面での説得力が著しく低いのが大問題なのです。



例えば黒幕は(誰も殺すことなく)学校の外へ出ようとする主人公たちに対して、外の世界は絶望に満ちている状況だと説明しますが、その絶望的な状況についての具体的な記述は特にありません。ただ世界各地の文化遺産が壊れていたり、人々が暴動を起こしているらしい映像を見せただけです。
後は学校の資料室で1年前に世界で何らかの絶望的な事件が起こり、そのための希望として主人公たちが集められたと分かりますが、やっぱりその絶望的事件とやらについてはさっぱりわかりません。

口で絶望絶望言うだけで肝心の絶望的な状況とやらがいったいどこがどう絶望的なのか描写されません。

またこの黒幕とのやり取りの中で自分が死ねば学園内の空気清浄機が止まると脅しをかけてきます。これはつまり学園の外の空気が汚染されている可能性を示唆するわけですが、その直前に黒幕はこんなことを言っています。「実はお前たちを助けるために外から助けが何度かやってきたが、全員重火器で殺してやった」と。

あー…ここだけで黒幕といいますかこのシナリオ書いた人の頭の悪さが分かると思います。
外で活動している人いるのですからお前が死んで空気清浄機が止まっても大丈夫ですし、仮に空気が汚染されていても、防毒マスクのようなものがあれば十分活動可能じゃないかと。もともと一生暮らせるシェルターのような学園なのですからあってもおかしくないでしょうし、もっと言えば主人公たちは「超高校級のエキスパート」の集まりなのですからそれくらい何とかできてもおかしくないです。

絶望を与えるつもりで希望を与える間抜けさを表現しているのなら逆に大したものですが、キャラのやり取りを見ている限りそれはなさそうです。

他にも終盤主人公たちが2年間の記憶を失っていた事が判明しますが、それについての方法なども一切説明ありません。科学的な何かとか洗脳とかショックとか超能力とか何一つなし。しまいには方法なんてどうでもいいだろと作中のキャラに言い訳させる始末。

分かりやすいところではこういう閉鎖状況で当然起こりうる水や食料についての問題もなければ言及も一切無し。地下に畑があって食料を自給しているとか、特別な装置で水をろ過しているとかそういう描写はホントに一切ありません。にもかかわらず絶えず新鮮な食料にありつけ、テレビや電話ネットなどが繋がらない以外は現代とほぼ同じライフスタイルです。

終盤主人公がゴミ捨て場に落とされるシーンがあるのですが、そこで非常に深いところへ落とされたはずなのに骨折などせず、一晩寝ただけで普通に動けるのもツッコミポイント。何がひどいってこの直後そこから脱出するのに煙突状の梯子を昇って行くのですが、そこで普通に下が見えない高さと表現しちゃったり、助けに来た女の子と昇りながらそれなりの長話をしてしまうシーンをナチュラルに入れてしまうあたりです。せめて横に長いとか入り組んだ通路にしておけばいいのに、落下シーンを見せることだけに囚われて整合性がメチャクチャです。


こういった疑問を感じる部分は探せばいくらでも出てきます。
細かいところにケチをつけすぎかと思われるかもしれませんが、少なくとも私にはどれもこれも至極普通どころか流し読みですら浮かぶ疑問の数々です。それにもし仮にこれらが細かいところだとしても、だからといって蔑ろにされるようでは困ります。

むしろ細かい描写の積み重ねこそが説得力を生むのであって、それを疎かにしているこのゲームのシナリオが破綻しているのは言うまでもないでしょう。

もっとはっきり言ってしまえば説得力を持たせる描写を「しない」のではなく「できない」だけです。そしてそれをわざとやっているんだと言い張っているさまが見えます。


キャラクターの見た目と言葉遣いを奇抜にすれば個性的に見えますか
変な殺し方をすれば残酷に見えますか
証拠を突きつける流れをアクション風にすれば議論をしているように見えますか
ミニゲームを取り入れれば斬新なように見えますか

見た目の奇をてらうことだけに囚われて、大事なものを蔑ろにしていませんか。



そんな訳で書きたいことは大体書き尽くした感じです。

私個人の評価としてはかなり低くならざるを得ませんが、散々書いてきたようにラノベ&中二要素が満載なので実際の中高生なら別にハマってもおかしくは無いのではないかと思います。間違いなく本来のターゲットもその辺でしょうから、私の評価が低くなってしまうのも当然と言えば当然です。そういう青少年が熱く語って5年後くらいに枕を抱きながら赤面するのもいいでしょうし、大人がネタとして割り切ってプレイするのもいいでしょう。

ただ、もし大きいお友達が本気で入れ込んでいるようだと…まぁあまりお近づきにはなりたくないですわな。

という事で長々と書いてきましたが、以上PSPのADV「ダンガンロンパ」の感想でした。




コメント

どんなゲームかも知らずに漫画版を読んでましたが

>死ぬキャラも固定です
えっ

てっきりどんな行動を取るかによって誰が死んで誰が犯人になるか変わるゲームだと予想していたのですが。
それだったらこのキャラの多さも少しは意味あるかなーと思っていたのに(-_-)

というか、推理にアクション要素を加えるメリットがわからないんですが。
まずこの2つの要素を両方同時に求める人がいるのか疑問ですし
純粋に推理を楽しみたい人からすれば、答えがわかっているのに思い通りに進められなくて
イライラする光景しか思い浮かびません(-_-;)

  • 2013/05/22(水) 23:45:51 |
  • URL |
  • さい #qKxgyVuY
  • [ 編集]

シュタゲと同じようなメディア展開をしそうな(もうしてる?)気配がプンプン

私も最初は状況が状況だけに好感度一番のキャラが犯人になったりとか、そういう意外性のある展開を予想していたのですがそんな要素は本当に全然ありません。それどころか特定のペアエンドもなく、電車並の1本道です。

漫画版を読んてそういう風に予想したということは、あっちは話ごとに○○ルート的なストーリーになっているのでしょうか。まぁ読む気も起きませんが。

学級裁判パートにアクション要素を加えたのは適度に緊張感を持たせるためではないかなーと。
2つの要素を両方同時に求める人がいるのかは同意ですが、アクション要素はかなり簡単で失敗しても直前からすぐリトライできるので実際にはそっちでイライラすることはあまりないと思います(・o・)

イライラするとすればむしろ中学生レベルの推理その(ry)

  • 2013/05/24(金) 00:04:40 |
  • URL |
  • 筆者 #mzMb781o
  • [ 編集]

はじめまして、いつも楽しく読ませてもらってます。
こういう褒められてばっかのゲームに辛口で行くのは大好きですが、折角なので2もついでに(ついでにという値段ではありませんがね!)レヴューしてほしいなぁなんて。

私は二つとも買いましたが…ウン。まぁちょっとはマシになってますよ!
相変わらず推理は中学生レベルですけども、1よりかほんのちょっと毛先ぐらい進化しているので是非これも辛口でこきおろしてほしいです。
これからの益々のご活躍を期待しております。す。

  • 2013/05/25(土) 21:15:41 |
  • URL |
  • ttt #o/PXu/q6
  • [ 編集]

はじめまして、ありがとうございます。

うー、別に良作扱いされているものに対して辛口で行きたいわけではなく、プレイしてみたら自然とそうなってしまっただけなので扱き下ろして欲しいと言われると複雑。

>2もついでに
今回の1に対する酷評を読まれ、その上ついでと言える値段ではないことを自覚しつつ購入を促すとは鬼ですかw
きっとそうやって私にまた酷評書くよう仕向けた挙句、アニメ放送スタートしたあたりで「違いの分からないクズゲーオタ代表」として晒し上げるつもりなのでしょう!きぃー!

実際のところ私も自分のお金を出す以上、申し訳ありませんが5千円以上を出してまで2を買う気はサラサラありません。
ただ1が発売1年後にベスト化されている状況を考えると、2も7月にベスト版が出てもおかしくないので、そうなったら(後で売る可能性も含めて)買うのもありかもしれません。

  • 2013/05/27(月) 00:12:10 |
  • URL |
  • 筆者 #mzMb781o
  • [ 編集]

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