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かつてゲーオタだったかもしれない人の日記

ふしぎの城のヘレン

先週からプレイしていたフリゲの短編RPG「ふしぎの城のヘレン」が終わったのでいつものごとく紹介&感想とまいりましょうか。


長く遊べるようボリュームを持たせるというのも大変な労力が必要ですが、逆に短い時間の中でプレイヤーが理解できるようにしつつ、満足感を得られるようコンパクトにまとめるのも大変なものだなと実感します。

導入部はヘレンが住んでいる小さな小屋から始まり、お兄さんから行ってはダメと言いつけられている北の遺跡へ向かうところからスタートします。

遺跡内にはモンスターが行く手を阻んでおり先へ進むには戦っていくしかないわけですが、特徴的なのが戦闘システムです。



1対1のタイマンバトルなのですが、攻撃や魔法といった種類のコマンドは無く、所持しているアイテムを選択して戦います。ヘレンにはHP以外の固有のパラメータは無く、攻撃力や防御力といったパラメータは全てアイテムに設定されているのです。具体的には攻撃力・防御力・待ち時間(ウェイト)の3つがあります。

これらは自分も敵もあらゆる行動に設定されており、

弓系-攻撃力・防御力は低いものの待ち時間が短いため連発できる
剣系-攻撃力・防御力共に高いものの待ち時間長め
盾系-攻撃力は無いものの次のターンまで高い防御力でガード
魔法-防御力は低く、発動まで時間がかかるもの回復や敵の防御無視など特殊な効果

といった風にアイテム(行動)の種類によって大きな区別があります。またこれら以外にも所持しているだけで特殊な効果のあるアイテムもあります。

さて上の説明だけでもすぐに気付かれると思いますが、アイテムごとの役割分担がかなり明確になっておりまして、行く手を阻むモンスターたちを倒すためにはその使いこなしが必須です。

モンスターは1体1体にそれぞれ行動パターンが用意されており、その多彩さには非常に目を見張るものがあります。とりわけボスモンスターは一手間違えると大ダメージなんていう自体もザラです。

またアイテム自体のレベルアップこそあるものの、ヘレン自体にはレベルの概念は存在しないため、レベルを上げてゴリ押すという方法は使えません。

おまけにアイテムは8個までしか所持する事ができません。


幸い要らないアイテムは捨てても特定の場所に保管されるので気軽に入れ替えは出来ますが、より一層どのアイテムを持つのか判断を求められます。

しかしだからこそ相手の行動を読み次にどのアイテムを選択するか、それをいかに考え攻略していくのかがこのゲームの戦闘面における醍醐味です。それはダメージや命中率に一切ランダム性が無く、モンスターの行動パターンも手強いとは言え必ず一定のパターンが存在している事からも読み取れるでしょう。



戦闘システムの特徴についてはこんなところですが、このゲームの見所はそれだけではありません。

それはストーリーをはじめとするシナリオ構成です。

ゲームを開始するとオープニングなどは一切無く、始まった瞬間からすぐにヘレンを操作できます。しかし行ける場所や出来る事はほとんど無く、すぐに北の遺跡へと向かうことになります。
少しネタバレになりますが、遺跡を抜けるとその先には小さな町があり、その先には魔王城と呼ばれるダンジョンや空の見える空中庭園などいくつかの階層が広がっています。

また面白いのがヘレンは最初字を読めないという設定のため、本棚の本や道中の看板に何が書いてあるのかわからず、中盤で読み書きを教えてもらってようやく読めるようになります。そうなるとプレイヤーとしてはそこまで仕方なくスルーしていた本や看板を調べにいくのですが、そこで今までの出来事や現在地に関する情報など多くの事実を知ることになります。隠しアイテムなど嬉しい情報に混じって、中には知らないほうが幸せだったかもしれない情報もあります。

ここは一体どういう場所で、自分や周りの人たちは一体何なのか。

こういう先へ進めるモチベーションとしてのストーリー、また後になればなるほどそこまでの配置にどういう意味があったのか理解できる構成も見事です。



戦闘のバランス、システム、ストーリーなどどれをとっても実に良くできているというほかありませんが、個人的に最も評価したいのは冒頭にも書いたように、短い時間の中で多くの要素をコンパクトにまとめて完結させている点です。

例えば戦闘一つにしてもあのように少々特殊なシステムでチュートリアルなど無いにもかかわらず、2~3回戦闘しているうちに理解できるようになり、1時間もしないうちに自然と敵のパターンの重要性に気付くようになるでしょう。

そしてそれは戦闘だけに限りません。

一例として序盤のダンジョンでマップの外にモンスターがいるという、あからさまに隠し通路が示唆されている場面があります。これはただ単に寄り道ではなく、その先にはクリアに必要なアイテムが落ちています。
これは今後もこういう隠し通路が存在する可能性を教えてくれているのであり、同時に序盤から自然とこういう洞察力を養うよう意図されているのです。
ですからダンジョンの謎解きも徐々に難しくなっていきますが、理不尽な感じはさほどしません。

ストーリーにしてもある程度進めて疑問が浮かび上がってくるを見計らって情報を解禁するという流れになっていますが、それも最初から余計な知識をプレイヤーに植えつけて混乱させないという配慮なのです。

クリアまでの時間は4~5時間程度とRPGとしてはかなり短いですが、ゲーム内のあらゆる要素が0からスタートするにも関わらずクリアする頃にはほぼその全てが理解できているでしょう。20時間、30時間、下手すれば50時間以上かかって1周してもまだチュートリアルなんてゲームも存在する中で、わずか5時間の中にこれほど完成しているゲームもそうは無いでしょう。素晴らしい構成力です。



そんな素晴らしいゲームですが、あえて欠点を挙げるとすればせっかく役割が明確にも関わらず死にアイテムが多いせいで所持品が固定されがちというのがあります。8個しかもてないというのもそれに拍車をかけています。

また経験値でアイテムを強化するシステムも結局鍛えるのが前提になっていて、ダメージにランダム姓が無くパターンを考えるのが重要という戦闘のバランスを考えるとチグハグな気がします。

しかし気になったのは本当にこの程度でドットのアニメーションもツクールXPでこんな動きするのかと驚くくらい細かく、陰影や透過処理といった部分も上手く謎解きに組み込んでいて見れば見るほど唸らされます。



上に書いたようにクリアまでは4~5時間とRPGとしてはかなり短いです。
しかしそれは短所どころか大きな長所であり、その短い時間の中でプレイヤーに確かな手応えと満足感を与える素晴らしい構成力が光るのです。

という事で以上フリゲの短編RPG「ふしぎの城のヘレン」の紹介&感想でした。

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