NGD

かつてゲーオタだったかもしれない人の日記

グランヒストリア

少し前までプレイしていたSFCのRPG「グランヒストリア」が終わったのでいつものごとく雑感でも。
あらすじがてら冒頭のストーリーなどを紹介しますと、まずグラン大陸という世界が舞台になっておりまして主人公はその世界にやってきた正体不明の魂みたいな存在です。
肝心なのはこの先で、あらかじめグラン大陸の今後の年表が用意されているのですが、それによるとグラン大陸はスタート時から20年後に滅亡する運命を辿ってしまうのです。この滅亡を回避するのが主人公およびゲームの目的ですが、結局最後まで主人公が何者かもわからないので、主人公=プレイヤーとでも考えればいいでしょう。

ジャンルを区分するならプレイヤー自らが歴史を創っていくタイプではなく、あらかじめ用意されている(バッドエンドの)歴史を改変していくタイプのゲームと言ってよいでしょう。

特徴としては年表によってグラン大陸の歴史が記されている点でしょうか。
「○○年 ○○発生」といった具合に年ごとに重大な出来事が記されておりまして、ゲーム開始時の時点ですと20年後のグラン大陸滅亡までの流れが記されています。
ストーリーが進むごとに年も進んでいくため、その年に起こるであろう出来事が前もって分かるのが主人公の特権であり、混乱や滅亡に繋がりそうな出来事を防止すべく行動します。


とはいうものの基本的な進め方は戦闘で経験値とお金を稼ぎ、レベルや装備を上げていくというオーソドックスなコンピューターRPGのそれです。

RPGの特徴としては〝周囲のみならず空までも戦場とした新バトルシステム『全方位ドームバトルシステム』による迫真のバトルが新境地を切り開く!〟(パッケージ裏より抜粋)とあるように、その「全方位ドームバトルシステム」というのが特徴です。

全方位ドームバトルシステムと名前だけ聞くと何だかとても戦略的で奥の深いバトルシステムのように思えますが、実際にはドラクエで例えればスライム×4を正面2匹・右1匹・左1匹と画面切り替え表示で分割しただけです。名前からしてこの腰砕けっぷりですからゲームバランスと来たら…それは後ほど。



このゲームの良い所は…っていつもならもっとシステムの説明やらを長々としてムダに行数を稼ぐはずなのに随分と足早だなと思われた方は察しがいいです。

そう、この時点で悲しいがな気合を入れて書けるほどの特筆すべき箇所がほとんどないのです。

その中で敢えて挙げるべきとすればやはり「歴史を書き換える」というコンセプトとストーリーでしょう。
主人公にはあらかじめ年表で今後の出来事が分かってはいますが、滅亡を防ぐためにはそのまま歴史通りに終わらせてしまってはいけません。だからこそ先の出来事がわかっているというのがいいスリルとなり、歴史上重大な事件の発生する年やイベントになると何をどうしたら防げるのかのだろうかという緊張感が生まれます。まぁ実際には選択などはほとんどなく、ただ普通に目的地のダンジョンや町へ行けば勝手に進行して解決するのですが、ストーリー的な期待感の持たせ方としてはなかなかです。特にリアルタイムで年表が書き変わっていく演出は面白く、見た目的にも歴史が変わったという実感を持たせられます。

また主人公は実体を持たないがゆえにとある青年の体に乗り移ることになるのですが、大陸を滅亡から救うための行動を重ねていった結果、遂に一国の王にまで上り詰めます。
ところが、中盤以降では敵に今まで乗り移っていた体を乗っ取られて別の体を使うことになってしまい、今までの仲間や友人に正体を打ち明ける事もできなくなってしまいます。それどころか元自分の体に乗り移った敵は圧政や侵略を積極的に行い、本来の歴史どおり滅亡へと突き進めていこうとします。このあたりの展開は序~中盤の年表を見た時点での「自分が王様になったのに何故滅亡するのだろうか」という疑問への答えになっていて上手いと思いました。

こういったストーリー展開も含めて作中20年という比較的長いスパンで進行するのもキャラクターと歴史を積み重ねるという観点からは有効でしょう。



しかしながら評価できるのはその程度で全体的にはかなりボロボロなのが正直なところで、とりわけ戦闘面のひどさはかなりのものです。

まず大層なネーミングの付けられたバトルシステムですが、実際には表示する敵を分割しただけというのは上述したとおりです。これで例えば向きによるダメージの補正などがあれば戦略性も上がるものですが、別にそういうものはなく強いて言えば敵のいる方向だと逃げられないくらいです。それにしてもどこか一方向空いていれば問題なく、囲まれている場合も逃げられずウザイだけでプレイヤーにとって何のメリットにもなっていません。

それどころか敵がバラけているせいでいちいち双方の攻撃のたびにその方向へ向きが変わるためテンポが悪いです。特に全体攻撃の特技を使用すると4方向に一回一回同じエフェクトが発動するため時間も4倍です。おまけに誰もいないところにさえエフェクトが発動するのですから呆れます。

戦闘自体も非常に退屈です。
敵の行動は直接攻撃95%、魔法系5%程度でぶっちゃけダメージが違うだけです。
加えてステータス異常や能力アップ・ダウンといった補助系がまるで機能していないのも退屈に拍車をかけます。なんせ特技やアイテムにステータス異常を回復するものがしっかり用意されているのに、クリアまでに一回もそれらの攻撃をしてきた敵がいませんもの。もちろんこっちが使ってもほとんど意味がありません。

このためただひたすら殴り合いでHPが減ったら回復か、敵一掃のためにエフェクトの長い特技を我慢するかしかなく早々に戦闘が苦痛になります。

そこへ畳み掛けるのが異常に高いエンカウント率です。
体感10歩ほどでエンカウントするほど敵の出現率が高いです。そしてもちろんアイテムや特技などエンカウント率を調整する手段は存在しません、ええ。

極めつけに飛空艇のようなエンカウントせずに移動できる手段も存在しておらず、全て徒歩で行わなければなりません。
またストーリーの都合上嫌がらせのようにお使いで各所へ回らなければならず、戦闘の全てとこのエンカウント率で心がくじけそうになります。時間が余って仕方が無い暇人でも苦痛に感じると思います。

幸いゲームバランスはヌルヌルで、序盤以外は特にレベル上げなどせずともHPやMPが減ったら回復アイテムを使いまくるだけでラストまで余裕です。特に中盤で国王になると100万ネルという大金が手に入るためお金に困る事も無いでしょう。ちなみにこの100万ネルというのがどれくらいかと言いますと、単体・全体全回復・MP大回復・蘇生アイテムを99個買い揃えても7割以上残る上にラストの店売り装備品を全部買い揃えても半分以上余るくらいです。てっきりイベント用の国庫資金とか、国王の体を乗っ取られた後はお金やアイテムを没収されるのかと思いきやそんな事もなく普通に使えます。投げやりにもほどがあるでしょう…。


長所として挙げたはずのストーリーにしても、確かに歴史を書き変えるというコンセプトとストーリーは目を惹きます。
ところが実際にプレイしてみると一つ一つのイベントがかなり雑で、途中の展開を大幅にはしょったのではないかというシーンがほとんどです。

例えば主人公が国王になってしばらくすると旧王家の人間がやってくるという出来事が起こり、その後「旧王家の遺産がありますのであなたが直接取りに行ってください。私も同行します」→お約束どおり最奥で裏切って戦闘という流れになります。
これ自体は恨みや野心を持って近づいてきたのだなと感じさせるイベントで悪く無いのですが、そもそもその時点に至るまでその人物の出番はほとんどなく、街やダンジョンの途中で会話などのイベントが発生する事も無いため、結局ただ単にいつもどおりエンカウント地獄に耐えてダンジョンの奥でボスと戦闘しただけと同じでしかありません。

その最たるものがラストでのやりとりでして、ラスボスが仲間たちに主人公はこの世界の人間でなく、そんなヤツと一緒に戦えるのかと疑問を投げかけます。当然仲間たちは主人公が何者であろうと仲間である事に変わりないと一蹴するわけで、確かにこの展開自体も王道と言えば王道です。
いや、やりたいことはわかるのですよ?長く歴史を積み重ねてきた中で例え姿形が変わったとしても一緒に戦ってきた絆は変わらないと、そういう事を表現したいのはよくわかりますよ。
しかしながらやっぱりここも上と同じく、それまで主人公と仲間たちがそういった信頼関係を築いてきたと感じさせてくれる描写が圧倒的に不足しているため茶番にしか見えません。歴史と同じで積み重ねがないと厚みは生まれないのです。

他にもところどころの選択肢で変わるのが最後のパーティメンバーの一人だけで、それも全くイベントに絡んでこないとか作りこみの浅さが明らかです。

とりあえずラスト数年をタイムスリップの事故ですっ飛ばした時点で限界だったんだなと思いました。



音楽やグラフィックはボチボチですが、全体的に民族音楽を感じさせる曲調や戦闘時の油絵みたいな背景は良くできるなと思いました(適当)。
その辺り機械のような「ザ神」と怪物のような「ゲ神」という2つの宗教が対立している世界観も大きいのかと思います。



そろそろ締めに入りますが、全体的に見ればコンセプトとストーリーに一見の価値こそあるもののRPGとしてはかなりボロボロで、はっきりいってRPG王国のSFCにおいて脇を固める佳作にも入れないくらいのC級作品というのが正直なところでしょう。

これならもういっそのことRPG部分はばっさりカットして、その分をストーリー描写の積み重ねに力を入れたADVにしたほうが良かったと思います。
95年発売ですが、実際プレイするとその3~4年前と言われても納得なくらいです。当時定価で購入した人はともかく、歴史に残る名作というわけでも無いので今の時代よほどの変人か暇人でもなければムリにプレイする意味も無いでしょう。

という訳で以上SFCの「グランヒストリア」でした。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://blog01.blog31.fc2.com/tb.php/1445-a11c61a6
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad