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かつてゲーオタだったかもしれない人の日記

式神トワイライトデイズ

先週から予告されていたように今週のジャンプ28号にて久しぶりに岩代先生の読みきり「式神トワイライトデイズ」が掲載されたので、例のごとく読んでみた感想でも。
タイトルから容易に読み取れる式神という要素

都内としつつも地下道や町並みからは明らかに23区外の物寂しさを感じさせる舞台

生粋の都会っ子からはほど遠く、おのぼりさんの香りが抜けきられないヒロイン

本業の仕事が無く実質何でも屋と化している探偵

序盤に出てくる一見モブっぽい脇役が犯人

敵式神の鳥の嘴+ギザギザの歯という造詣

おしおきTIME

変身するとケモくなる主役

そして事件を解決して「彼らの活躍はこれから始まる」的な締めで終わるジャンプ読みきりのテンプレとも言えるストーリー


うむ、いつもの感じとも言えますし、いつもの感じともいえます。
読む前は久しぶりで少なからず心配していましたが、フタを開けてみればどこからどう見ても(良くも悪くも)いつもの岩代先生の作品というのが読後の第一印象でした。



ではここからはストーリーを追いながら感想とまいりましょうか。

導入は近頃犯人及び手口痕跡などの詳細不明の連続殺人事件が起きているという「むかしむかしあるところに~」並みのテンプレを皮切りに、その事件へヒロインが目をつけるというところから始まります。

このヒロインの美好真子、子供の頃にあった神通力を頼りに探偵になってみたはいいもののいつのまにやら神通力はすっかり消えうせ、しがない迷探偵の日々を送るという設定ですが、探偵や神通力よりも「20才」という今までのヒロインよりも一回り高い年齢設定が地味に驚きました。予告の時点だと「自称美少女探偵」ってなってたから中高生くらいだと思っていたのに!岩代先生のクセにおねショタか!

事件を解決していっちょ有名になってやろうと近くの事件現場へ向かう真子ですが、当然ながら現場を捜査中の警官には邪魔者扱いされて入れてもらえません。そこへ現われたのが式神使いの少年、嘉神恭介と相棒の白天丸という名の霊位の高い狐の霊獣です。
恭介のデザインは中学生くらいの気の優しそうな少年で基本の性格もそんな感じです。白天丸の方は小ささの割に性格は生意気で口の悪いところが目立つというこれまたベタなマスコット的なキャラです。

そこから数ページに渡って恭介の式神・虚霊を用いて現場捜索がてら各々の自己紹介といったやりとりが続きます。
たくさんいる掌サイズのオバQのような体型で◎の一つ目というデザインの虚霊は、排水口や物陰といった人の手の届きにくい所へ散らばって手がかりを探しつつも、真子の太ももにまとわり付いたり枯葉を傘代わりにしててこてこ歩き回ったりとコミカルな仕草を披露してくれます。

すると案の定妙な模様の付いたクラッカーが見つかり、どうやら犯人は式神の使い方を覚えた人間という見解が恭介から説明されますが、真子はにわかに信じがたい様子でそれに対して恭介たちはやっぱりという反応を見せ去ろうとします。しかし彼らの懐事情が寂しい様子を見た真子は詳しく話を聞くついでにファミレスでおごってあげる事にします。

ファミレスにてパクつく一人と一匹に真子は先ほどのクラッカーについて尋ねます。
恭介が言うには犯人はクラッカーに怨霊を集め、一匹の式神に仕立て上げたという事でクラッカーにこびりついた怨霊の片鱗から小さな奇形の式神を出してみせます。式神協会ではこういう「裏式」という使い方は禁じられたものであり、同時に式神は仲間と考えて育ってきた恭介にとって犯人は許せない存在だと語ります。余談ですがこのコマで反対側の席から信じられないものを見る目をしているおじさんが地味ですが実にいい表情してます。仕事も定時に終わって早めの夕食をビールと共に味わっていたでしょうにキモい怪物を見せられて気の毒です。

そこで何気なく真子がクラッカーの残骸を手に取ったところ突然子供の頃にあったという神通力が発動し、犯人らしき人物のイメージが真子に流れ込んできました。…サイコメトリー?

イメージで聞こえた声に聞き覚えのあった真子はファミレスを出て現場へ戻ろうとしますが、駐車場にてクラッカーを携えた異形が二人と一匹の前に現われます。襲ってきた異形の式神に対し、恭介はカバンにぶら下げていた人形(回想シーンで恭介自ら縫っていた)の羅正丸を式神化させて対抗させます。羅正丸、鎧甲冑をまとった昆虫人間という感じのデザインでなかなか肉弾戦にはお強い様子…っててっきり恭介たちはサポートするかと思いきやその間に逃げるのね。

ところがもう一体敵の式神が現われとっさに恭介は虚霊を召還して身代わりにします。あくまで壊れるのは憑依している物体だけとはいえ仲間という割にはちょっと扱いが悪くないですかい。

そこへ事件現場で捜査をしていた警官が騒ぎを駆けつけ銃を構えながら2人にこちらへ来るよう促し、恭介は逆に警官へこの場から離れるよう近づきますが、ここで正体を現した警官が恭介を撃ちます。あれ、何か割と最近似たようなシーンを打ち切られた作品で見たような…。

「式神の使い方を教えてもらったから殺ってみたくなった。ただそれだけのこと」とは犯人の警官の弁。うむ、動機としてはとてもストレートでテンプレですが悪役としては好感が持てます。

とここで撃たれたはずの恭介が白天丸を自分自身に憑依させる切り札を発動させ、敵の式神を一瞬で粉砕します。
この式神憑依中の恭介は白キツネの白天丸を憑依させたため耳と尻尾が生え、外見も少年から青年へと変化していますが、このみえるひとや狗童でおなじみ「動物の身体的特徴を持った人間」を見るとああやっぱり岩代作品だなという気がしますね。
さて白天丸を憑依させてこの姿になるということは、他の式神を憑依させれば違う外見や能力になるであろう事も容易に予想できるわけでして、この辺り気が早いですが連載になったときのことを意識しているというのがありありと伺えます。シャーマンキングっぽいですけど、式神で扱う範囲を考えればネタは広いはず。

そしておしおきTIMEというセリフから溢れ出る岩代先生またやってしまった感ときたらもう何と言っていいのやら。梵(BOMB)やネオ天草のころから何一つ変わらない安定のセンス、これぞ私たちの知っている岩代先生としか言いようがありません。
下手すれば今回の読み切りを一言でまとめるとこの「おしおきTIME」で通じるくらい全てが集約されていると言っても過言ではありません。

「まだ見てないけど今回の岩代先生の読み切りどうだったー?」
「うーんと、『おしおきTIME』だった」
「あぁ…なるほど、いつも通りって事ね…」

ってな具合に。

必殺の憑依式神した恭介はお前に式神を使う資格は無いとこれまたテンプレ台詞で犯人をワンパンKO。一方その頃一人足止め役として敵式神と戦っていた羅正丸も勝利を収め、元のぬいぐるみに戻ります。
変身直後に敵の式神を一撃粉砕したシーンもそうですが、この辺りの戦闘シーンは正直尺が短すぎてあっさりし過ぎている印象がかなりあります。せっかく主役の見せ場なのですから羅正丸のシーンを減らし、その分を恭介の方に回して式神憑依の強さを見せ付ける派手なシーンを増やしたほうが良かったのではないかなと思います。

犯人は式神協会に連行されこれにて一件落着。
これから協会の依頼をこなすため東京に住む予定という恭介たちを、利用する機満々の真子が自分の事務所に来るよう引っ張って終わりという最後までテンプレのお手本のような形でシメです。



さて、冒頭やところどころでも書きましたが読み終えてみるとジャンプ読み切りの王道テンプレをなぞりつつ、今までの岩代作品の要素が詰まった集大成的な内容だったかなと思います。
集大成というのはみえるひとやPSYRENだけでなく、狗童やゴッドランドカンパニーといった読み切り作品のエッセンスも含んでいますが(さすがにさくらん【仮】は知らん)、雰囲気的にはPSYREN後期の絵柄でみえるひとの初期テイストというのがしっくり来る感じでしょうか。
設定的にもさほど目新しさはありませんが、岩代先生の得意な分野を扱いつつ、敵の式神や式神憑依のバリエーション、式神協会の存在や真子の能力など連載になった場合の広げ方もある程度考えられているのが随所から伺えました。

そんなわけで個人的にはとても満足しているのですが、ではアンケの項目で「連載で読みたい」を選べるかとなると…。

いや、私個人としては読みたいですよ。またこうやって毎週の楽しみとして感想書いて応援したいですよ。

でもですね、何となく見えるのですよ。
新連載後2回目のセンターカラーをもらえず、
補正が切れた直後にドベ5付近の常連となり、
ファンの間では自虐ネタになるほどアンケの話題が当たり前となり、
そうやって低空飛行を続けているうちに半年くらい(25話前後)で打ち切られて悲しみに打ちひしがれる姿が

なぜそう悲観的なのかって?
だっていつもの岩代先生の作品ですもの。
別にメインの読者層を否定するわけではないですけど、これまで生み出してきた作品が(短期打ち切りほど悲惨ではないにせよ)アニメ化するほど読者の大半に受け入れられたわけではないのに、また同じような作風で連載しても前以上にヒットするとは到底思えませんもの。

しかし別にそれが悪いとは全然思いません。
だってこういう作風が岩代先生の持ち味であり、古臭かろうが何だろうがそういうところが好きなのですから。
仮にテイストを変えて大ヒットとしても、それが自分にとって魅力的でなければ読む意味がありません。

そうなってくるとこれはもう好みの問題であり、後はもうジャンプではなくもっと他に受け入れられる可能性のある雑誌に移籍してはどうかという話になってきます。それにこれまでを考えれば、例え移籍したとしてもついてきてくれる読者の数はそれなりにいるはず。いると思いたい。

ですからこういう事や自分が本来の読者層から外れている事も踏まえると、「連載で読みたい」という項目を選ぶのは躊躇してしまうのです。

ただ単純にマンガを読んで面白かった・つまんなかったとだけ思えれば良かったのに、こうも余計なことを考えるようになってしまったのは年のせいなのでしょうかねぇ。

まぁ今後どうなるかはわかりませんが、結局連載されたらされたらでよほど酷くない限り同じように応援するでしょうし、移籍されたらされたらで追いかけるだけです。

ということで途中グダグダと書き連ねましたが、要は「おしおきTIME」の一言で表現できるいつもの岩代先生のマンガだったという感想で締めたいと思います。

コメント

こんばんは。
感想が概ね自分が持った印象と同じだったので、ニヤニヤしながらブログを読ませていただきました。
おしおきTIME。どう考えても一部の人間にしか流行らない。

しかし私は震える手でアンケ表面の一番左に①を書き込みましたよ・・・!
例え打ち切りになろうとも、岩代先生なら何かしら心に残る形できっと終わらせてくださるだろう、という心持で応援したいと思っています。
・・・連載とれればですけど(´・ω・`)

  • 2014/06/11(水) 00:01:11 |
  • URL |
  • にゃーこ #vp8meGQs
  • [ 編集]

返信TIMEだ

おこんばんはです。

今回の読切に関してはファンの人に限らずいつもの岩代先生らしいという意見が多いような気がしますが、そういう作風が今の誌面だとどういう立ち位置に見えるのでしょうかちと気になります。3年程度ですからそんなに変わらないか。

おしおきTIMEは普通に「さあ、おしおきの時間だ」でいいのに、そこで口調にもスパイスを利かせようとして加減を思い切り間違えたような、そんな印象です。もちろん本人はいたって真面目に。

アンケか…ここ最近のメンツならソウルかトリガーを一番左にしたいところですが、さすがに久しぶりのご祝儀がてら一番にしないわけにはいきませんわな!
ただ裏の5番目の設問には「別の作品を連載で読みたい」と正直に書きました。

まぁ結局は

>連載取れれば

Exactly(その通りでございます)

何かの間違いでヒットするにしても、バイバイジャンプになるにしても連載されなければ始まりませんものね(・o・)

  • 2014/06/12(木) 00:32:08 |
  • URL |
  • 筆者 #mzMb781o
  • [ 編集]

こんばんは。
感想お疲れさまです。
式神はみえるひとを彷彿とさせるような読切でしたね。
それだけに二の舞という言葉が(--;)
そして似た漫画を描いたといえば西先生のぼっけさん→HACHIが頭に浮かびます( ̄▽ ̄;)

今回は悩みました…悩みましたとも!
簡単に考えられれば楽なんですけどね…
悩みましたがファンが大事にし過ぎて伸ばし伸ばしになっていった結果
岩代先生を出がらしに
みたいな最悪の流れが頭に浮かんでしまい式神で連載にしましたf(^^;

主さんのコメントみて別の作品で連載にしとけば良かったかな…とも思いました(^^;;

キャラ的には多分今までで一番ウケやすい気もしますしカラーは改善してるし
タイトルロゴはデザイナーさんが頑張ってくれたし、みえるひと-PSYREN-GLCの集大成で悪くないとは思うんですけどね。
門が開く前の話とされてますし、あえて手札を明かさなかったとも考えましたがやっぱ心配になりますよね…
台詞回しは相変わらずの岩代先生で、これは多分最後まで変わる事はないんでしょうね。

少年誌ではないですが
この先生の独特さ好きなのにな~…って先生がアイアムアヒーローという漫画でヒットしたし岩代先生もヒットして欲しいな~(´-ω-`)
GLC→さくらん→式神(ワンピ救済の関係?)と繰り返す事にあからさまに間が、あいてきてるので様子見し続けるくらいなら挑戦あるのみ!かなと思った次第です(^^)
ジャンプが駄目でも他誌ならという簡単なもんでもないと思いますが選択肢自体は複数ありますしね。

  • 2014/06/13(金) 17:29:38 |
  • URL |
  • 和 #e2xIBKiE
  • [ 編集]

返信遅れてスイマセン。

>西先生の二の舞が頭に浮かぶ
私も割とすぐ浮かびましたけど黙っていたというのに(-_-)

裏の回答は難しいものです。
私個人としては、マンガに限らず好きな作者や開発者の方ならいくらでも待つので本人が納得のいくまで作りこんで欲しいというスタンスなのですが、漫画家としての立場を考えるとそういうわけにも行かないでしょうし。

そういやカラー今までと比べるとデジタルで仕上げたのがきれいですな。

>手札
あまり「続きは連載で」というのが見えていると人によっては気に入らないかもしれませんが、とりあえずここしばらく何もしていなかったわけではなく、ちゃんと連載用の構想を練っていたのが伺えて良かったかなと。

>選択肢
これですねー、私も上で他誌への移籍も視野になんて書いてますし、「ジャンプじゃなければ」という意見も時々見かけるのですよ。

ただ、じゃあどういう雑誌なら向いてそうかというと…萌えやメカといったオタ系をターゲットにするにはセンスが古すぎますし(酷)、青年誌でエグさやシリアスをアピールしていくのが向いてるかといわれれば首を傾げます。

結局のところ岩代先生の展開や作風って(ところどころに異形が交じりつつも)王道の少年漫画なわけで、そうなるとやっぱりジャンプが一番向いているという気もするのですよね。で、次点でサンデー。

とにもかくにも何らかの形で連載が決まるのを待ちたいものです。

  • 2014/06/16(月) 00:54:14 |
  • URL |
  • 筆者 #mzMb781o
  • [ 編集]

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