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かつてゲーオタだったかもしれない人の日記

メダロットDUAL:後編

前編に続いてメダロットDUALの感想です。
後編はいつものごとくシナリオをメインにその他雑感や総評などです。
前編ではいつもと違うロボトルのシステムについて書きましたが、実はゲームの進め方についても今回ミッションクリア形式という従来とは異なるシステムとなっております。

もう少し詳しく説明しますと主人公はMMF(メダロット・ミッション・フォース)という組織の新人隊員であり、そこに寄せられる人々からの依頼を解決していくのです。
メダロットのゲームなのですから当然依頼内容は全てメダロットに関するものなのですが、その内容がただ単にロボトルをして勝つだけのものばかりでないのがなかなか面白いです。

新型パーツのテストとしてそのパーツによる攻撃を相手に規定回数命中させる
映画撮影のためあらかじめ用意された機体を使用し、特定の条件を満たして勝利する
相手に自信をつけさせるためデチューンされた機体で接待ロボトルを行う
暴走メダロットから市民を避難させるための時間を稼ぐetc

こういった一味違うミッションもあれば、大会に出場して優勝するとかロボロボ団のアジトを調査するといった、いつものメダロットらしい展開のミッションも多々あります。
各ミッションをクリアするとパーツ購入用の報酬とは別にバッジがもらえまして、集めたバッジは各種メダリアと交換してもらえるようになっています。バッジ取得条件は各ミッションにつき最大3つまで存在しまして、大体は短い時間やパーツを破壊されずに相手を倒したりと要するにいい結果を残せばオッケーです。中にはバディを連れずに一人で勝つとか結構しんどいのもあったり。
クリア後もミッションへの再挑戦はシミュレーターで何度でもできるのですが…これについてはまた後で触れます。



ゲームの進め方についてざっと書いたところで、ここからは毎度長くなるストーリーやキャラなどシナリオについての感想ですw

今作の主人公はナギorナミという男女選択式ですが、別に男女でイベントの違いや有利不利も無いので好きな方でいいでしょう。
そのナギorナミがMMFの入隊試験を受けるところからゲームは始まるのですが、いきなりぶっちゃけてしまうと今作の主人公は歴代でも驚くくらい語るところがありません。

といいましても魅力的なところが無ければ不快なところも無いとかそういう理由ではありません。
単純に彼(彼女)に関する描写が極端に少ないのです。
舞台となるからくさシティに住んでいる小学生で新人メダロッターであることはわかるのですが、自宅にいるシーンはほんの一瞬で家族構成も不明ならゲーム中言及されることも一切ありません。といいますか自宅なんかマップに出てこないし。
一応小学校には友人がおり、彼らの依頼から見ても別に孤立しているとかそんな事はないのでしょうが、なんせゲーム中描かれるのは放課後にMMFの制服を着て任務をこなしている姿なので、主人公が家や学校で普段どういう生活を送っているのかが全く不明なのです。
ストーリーが進むごとにパートナーのメダロット(メタビーorロクショウ)との信頼関係を深めていくというのは定番ですが、それにしたってとってつけたような過去も無ければ、別に誰かにメダロットは友達だと熱く主張するわけでもなく、強敵を前にして気遣うとかメダロッターとメダロットにおいてすごく普通の関係性です。

では主人公の存在感が薄いからダメなのかと言われればそうではありません。
それは今作の中心となるのは主人公が所属するMMFという組織そのものだからなのです。



そもそも今作のMMFという組織はセレクト隊(メダロット世界における警察のような組織)から分課した精鋭部隊という扱いであり、同時にメダロットに関する何でも屋のような存在であります。

そしてその活動内容は従来のセレクト隊のような単にメダロット絡みの警察というようなものにとどまらず、前述したように多岐にわたります。基本的には役立たずで市民からも警察の天下り扱いされていたセレクト隊と比較すると、市民の評判もよく人気も高いです。
作中でもその辺りはきちんと描かれており、代表的なのはゲーム終盤における事件への対応でしょう。
暴走したメダロットが町の各所で混乱を引き起こすのですが、それに対して隊長は市民の避難誘導を最優先に時間を稼ぐよう各実働隊員メダロッターへと指示を出します。またそれと同時に重要な手がかりがあると思しき現場には早急に調査員を派遣するとともに、人手が足りないと見るや迅速に他の部隊への応援も要請、主人公には戦力補強としてガンノウズorサンジューロを支給するなど緊急時における対応のスマートさが見てとれます。
また隊長だけでなく事務や調査員などの裏方スタッフの手際も実に手慣れている様子で、この一件だけ見てもMMFという組織の優秀さが見て取れます。

こういった描写があるおかげで依頼人や町の人の「MMFがきたから安心」「さすがMMFだ」というセリフはもちろんですし、セレクト隊隊長がやたらとMMFを目の敵にしているのにも納得がいきます(後者にはほかに理由もあるのですが)。

セレクト隊隊長で思い出しましたが、上に挙げたMMFの隊長というのが実は7のセレクト隊隊長なのです。そう、時系列としては7の後のストーリーで設立にあたってコハクと共に引き抜かれたという事のようです。
さて7をプレイした人ならご存知でしょうが、この隊長というのは隕石が降ってくるたびメダロットの陰謀にするわ、パートナーのブルースドッグを虐待するわ(過去にロボトルでボロ負けした逆恨み)、ことあるごとにすぐ遺跡を爆破しようとするわ、進言した部下に怒鳴り散らしてクビにするわと絵に描いたような無能で、ある意味メダロット7における一番の問題人物でした。

ところが今作では前述したようにMMFの隊長としても人間としてもきわめてまともになっています。一応7における一連の事件でアズマとパートナーに大事なことを教えてもらったのがきっかけだったとクリア後に語ってくれますが、その変貌ぶりに何があったのかと逆に不安になります。パートナーのブルースドッグも普通に強いですし。

そうそう、7のアズマとパートナーですが、何と主人公がMMF入隊時に支給されるパートナーのメタビーorロクショウというのが7のアズマのメタロクと同一メダロットなのです。隊長やメダロット博士がそれっぽいことを言うので間違いないでしょう。ど、どういうこと?隊長やコハクは分かりますがなぜ奴もここにいるのでしょうか?
想像するに7の後、アズマはたびたびコハクや隊長とロボトルする機会があり、それが縁でセレクト隊あるいはほかの地区(もろこし町)のMMFに入隊したとかではないでしょうか。当然パートナーのメタロクも一緒に。でメタロクもまた実力を見込まれてMMFでは教官として新人隊員にあてがわれていると。ただ肝心のアズマ本人が本編では出てこないため真相は不明です。ナンバリングでなく外伝だからこそそういうのは出しとけよと思わなくもないですが。



さて、ゲームの進め方となるミッション形式やストーリーの主役となるMMFについて書いてきましたが、私がシナリオ面においてまず評価したいのはミッション制による伏線を活かしたストーリー展開です。

終盤は先に書いたように町のメダロットが暴走して混乱を引き起こすのですが、その展開に至るまでの流れはこうです。

あるミッションで通常よりも攻撃力の高い野良メダロットと遭遇した主人公に対し、とあるメダロット研究員が興味本位で調べてみたいとそのパーツを要求し、その後何度かの調整テストを経て、新しい高性能のパーツ群を開発します。
この高性能パーツはあっという間にからくさシティのメダロッター達の間に広まり、一時は大会でもほとんどの参加者が付けているほど浸透しますが、それと同時期にMMFの相談窓口や町の人々の間でメダロットが時々力が抜けたように無気力になってしまうという話がでるようになります。MMFやメダロット研究所が訝しがっていたところにロボロボ団のいたずらが絡んで混乱が引き起こされる…という流れです。

ここでまずポイントなのは今までで言うところのヘベレケ博士のように事件を引き起こした黒幕がいるわけではないという点です。
問題となるパーツを開発した研究員のテラモトも本人に悪気は一切ないただ単に研究の虫なだけで、作中の「彼にしか引き起こせない問題を、彼にしかできない方法で何度も解決してきた」という人物評がしっくりくるキャラです。
パーツが蔓延するのも強いパーツが欲しいというごく現実的な欲望の結果であり、別に誰かが悪意を持って流行らしたわけではありません。ロボロボ団にしたって奴ら自身が言うようにそんな大それた悪事ができるわけではなく、たまたま発見した昔の装置を動かして遊んでたらその電波が無気力になってたメダル達に反応してしまって事件の引き金になったというだけで、メダルが正常な状態であれば影響を及ぼすほどのパワーはありません。

このことから結局のところ偶然が重なった結果の事故なわけですが、ここに至るまでの個別のミッションで伏線を張ってきたからこそ映える展開だと言えるのではないでしょうか。



そして今作のシナリオ面において最も特筆すべきはメダロット世界における生活感の表現です。

その最たるものこそMMFであるわけですが、例えばメダロットのパーツひとつとっても、研究者がテストを繰り返して調整を重ねた末に発売されるものだというのが依頼を通じて分かりますし、例のパーツが大ヒットすることでそれを生産する工場の人たちは大変ながらも忙しくなることを喜ぶシーンもあります。
また映画撮影のミッションではきっとこの世界では日曜朝8時とかにメダロットを題材にした特撮番組が放送されているんだろうと想像することができますし、漫画家のアイデア出しのためのロボトルでも同様です。

これまでも作中世界において主人公を中心としてメダロットが描かれてきましたが、今作ではメダロットに携わる周辺の人々の姿までミッションの依頼を通して描かれており、それがメダロットが単なる遊びやスポーツの枠を超えた産業として成り立っていることを実感させてくれます。
スポーツ関係で例えれば今までは試合と選手だけをピックアップしていたのが、チームを運営する裏方スタッフや応援するファンの様子まで見られるようになった感じです。

そして生活感を感じさせてくれるのはそういった部分だけではありません。
そういう意味で気に入っているのがおぼっちゃま関連の一連のミッションです。

おぼっちゃまに自信をつけさせるため接待ロボトルでわざと負けて欲しいという執事の依頼から始まるこのミッション。
最初は「金払って接待たぁいい身分だなオイ」くらいにしか思っていなかったのですが、実際それで自信をつけたおぼっちゃまはどんどん強くなり、バディとして一緒に戦ったりした後に、敵としてトーナメントで主人公と対戦することになります。
そこで負けたおぼっちゃまは近頃ロボトルにかまけて学業がおろそかになっていたという執事の指摘もあり、ロボトルを控えてしまいます。

こうして一旦はロボトルを止めたおぼっちゃまですが、別のミッションではロボトルの練習をしているいじめられっ子を遠くから眺めていたりと、未練がある様子を見せてくれます。
またそのいじめられっ子に主人公が助太刀を依頼される別のミッションでは、肝心な時にメダロットを扱えないその子に代わって主人公と一緒にいじめっ子に立ち向かってくれます。

そして最後の依頼ではこれで負けたらもうロボトルはしないという約束の元に、そのいじめられっ子をバディとして主人公と執事に挑んできます。最終的にはおぼっちゃまは負けるのですが、執事からは単にロボトルの腕前が強いだけでなく人の事を思いやれる立派なメダロッターになられましたと認められます。
そしてその後おぼっちゃまはロボトルは1日1時間や勉強もしっかりするという条件でそのいじめられっ子や、元いじめっ子とも仲良くロボトルに興じている姿を見せてくれるのです。

この一連のミッションの何が好きかと言いますと、ただ単にロボトルが強くなってめでたしめでたしで済ませず、おぼっちゃまの人間的な成長とメダロットを通じて友達が増える様子をきちんと描いている部分です。それは同時にこの世界におけるコミュニケーションツールとしてメダロットが存在している事の表れでもあります。
でまたこの一連のイベントが全部終了してようやくおぼっちゃまを通常バディとして登録できるというのも、ようやく仕事上の付き合いを抜きにしたメダロッターとして対等な関係になったという感じでいいんですよ。さすがにそれは考えすぎかもしれませんけどね。


他にも何度も迷子になるメダロットに振り回されつつもワシにはコイツが一番じゃと語るおじいさんや、騒動の後でパーツはともかくメダルが帰ってきたことを喜ぶ子供たちなどいろいろな人々の様子がストーリーの進行具合に応じて変化していきます。

何も主人公に唐突な過去を加えたりメダロットは友達だと語らせるだけが表現ではありません。
今作のようにミッションや人々の様子をしっかり描けば、この世界においてはロボトルは遊び、スポーツ、コミュニケーションツールであり、メダロットはペット、家族、友達のような存在であることは十二分に伝わってくるのです。

メダロットが一般的な世界における生活感の表現。
私はこれこそが今作のシナリオ面において最も特筆すべき部分だと思います。



あとはその他細かい点をいくつか箇条書きで。

・登場人物こそ多いですが、できる事なら7や過去作の街中にいるような「登場人物としてのメダロット」がもう少し欲しかったところです。

・今作の公認レフェリーはいつものミスターうるちではなく小金井ダイズという人物。審判としては割と無難。

・ロボロボ団も中央への栄転を夢見る弱小支部といった感じの連中です。何とこいつらともバディ可能。いいのか。

・シミュレーターでミッションへの再挑戦ができるのはいいのですが、その際イベントを早送りだけでスキップできないのが結構わずらわしいです。あとシミュレーター内だとオペレーターのセリフがカタカナ混じりですごく不気味です。

・いろいろな場所を調べた時の小ネタやリアクションが一切ないのが寂しいです。いちいち考えるのが大変なのでしょうが、こういうのが無いのも主人公の影が薄い一因かと。

・開発はこれまでのデルタアーツではなく、7でグラフィックを担当していたジュピターというところなので素材の使いまわしもわりと多め。いや、別にゲームも面白いんで不満はないんですけどね。

・登場機体数は約100体で7に登場していたのと新規組が3:1の割合です。バディの数と合わせてこんなものでは。

・ナビゲーションボイスは邪魔とかメロメロとかは一切ないまったくもって無難で特に言う事もありません。

・正直途中から大画面の3DSLLでプレイしたいから買っちゃおうかなーと思ったり。

・ここまでのプレイ時間は約20時間。シリーズでは比較的短いとは思いますが、充実していたので全然気になりませんでした。



といったところでしょうか。

今作は私が今までプレイしてきたシリーズの中でもかなり評価は高く、現時点で5に次いでお気に入りのタイトルになりました。
それはただ単にメダロットのアクションゲームとして面白かっただけでなく、ナンバリングとは一味違ったストーリー展開やメダロットの世界観をうまく表現したシナリオによるところも大きいです。

以上、前後編に渡ったメダロットDUALの感想でした。

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