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かつてゲーオタだったかもしれない人の日記

メダロット9:後編

前編に続いてメダロット9の感想、後編です。

さて、前編でロボトルもシナリオも良かったのにどうして最高傑作と断言するのを躊躇ってしまうのか、ひいては今作の問題点についてですがこれはもうはっきりしています。

ボリュームの少なさです。



ボリュームが少ないといいましてもクリアまでは約35時間で、プレイ時間だけ見れば過去作と比べてもそれほど差があるわけではありません。DUALなんて約20時間でしたし。

ただしそのプレイ時間にしてもパーツ集めやメダリア素材集めのためのロボトルが大半であり、メインのシナリオだけ追ってみるとおそらく8の半分くらいの長さしかありません。そのシナリオにしても途中まではそんな素振りも無かったのに、夏休みが終わった辺りから急展開に入りそのまま一気にラスボス戦へとなだれ込み、倒したと思ったらまともなエピローグや後日談も無く即スタッフロールで終了というまさに打ち切り漫画のような展開です。これまでのような個別ヒロインエンドもなければクリア後の要素も無く、クリア後はデータを引き継いでの最初からしか用意されていません。

ですからシナリオが薄いと言い換えた方がいいのかもしれません。

そして終盤だけでなくそこに至るまで放置されたと思しきストーリー上の伏線の数々がそれを如実に感じさせます。
以下にざっと覚えているだけでも列挙。


・メタビー&ロクショウのマスター
会話の内容や2人のやりとりからおそらく校長だとは思うのですが、それならそれでもう少し2人の関係性にスポットを当てて欲しかったです。


・なぜ校長はテンマを特待生としてスカウトしたのか?
校長曰く「お前に隠れた才能などなく単なる気まぐれに過ぎない」とのことですが、それならわざわざ保管しておいたソウエン・ジッパーを渡すとは考えにくいです。冒頭メタロクに出会った時の様子が過去の自分に重なったとかそれっぽい理由がありそうなんですが。あと何であの時メタロクは島の外までロボロボ団を追いかけていたのでしょうか。基本鉱山の入り口を守っているはずなのに。


・生徒会長がやたらと部長に突っかかる理由
探検部が生徒会から廃部勧告を言い渡されるのは大抵これが原因なのですが、いくら事実上休部状態の部活とはいえ生徒会長のクニギク部長に対する態度は、他の部活やキャラと比較して明らかに攻撃的です。ミオもその事について訝しがりますが、当のクニギクがあんなキャラのため軽く受け流されてしまいます。
設定集(サントラ付属)のキャラカテゴリを見るとミオが探検部とアイドル部両方に属しているのと同様、クニギクが探検部と生徒会両方のカテゴリに属しており、この事から実はクニギクが先代の生徒会長であった可能性(本当は有能なのにロマンを重視して生徒会を辞めて探検部を作ったから現会長に目の敵にされているとか)などが考えられますが、これも結局ゲーム中ではっきりしたことが語られないまま終わってしまいます。


・ガラクタ置き場のサルメダル(らしきメダル)
序盤テンマが探検部のガラクタ置き場に迷い込んだ時にサルメダルらしきメダルを拾いますが、これについてその後一切触れられることなく、いつの間にか手元の重要アイテムからも消えてしまいます。(元々表示されなかったかな?)
ご存知のように1キャラ1パートナーという設定が重要な本作において所持メダルにならないのはともかくとしても、それならこの所有者不明のメダルが一体誰の物なのか、そしてそれがあのガラクタ置き場に落ちていたのは一体何なのか謎が深まります。大体あのガラクタ置き場も勝手にびーすとだすたーが住み着いたりと危険極まりないのですが、そんなのが部室の地下にあるとかホントに何なのでしょうか。


・テンマの妹
途中までは区切りごとに通信でテンマと近況報告を行っていた妹アサヒですが、中盤以降テンマがめんどくさくなったのか一方的な近況報告になってしまいます。
ミオが実力派ダンサーである事を知っていてその事についてテンマに尋ねたり、アイドル部志望であることを考えると、後々後輩として入学してもおかしくなさそうだったのですが…。


・校長の模造メダル
ストーリー後半で実は校長の身体はサイボーグのようなもので、そこに模造メダルのような物をはめて動いていると判明します。
…これ軽く流してましたが、よく考えると5でイトがやろうとしていた「人間の人格をメダルへ移植」の実例でメダロット世界においてかなり衝撃的だと思うのですが。


・ロボロボ団の団長とサイカ
何度か顔見せ&ロボトルはしたものの、テンマ救出以降はいつの間にかフェードアウトしてしまったロボロボ団長ことダイジロウ。おそらく目的自体は例によってアホな目的でしょうが、決着すらなくいなくなってしまうとは何のためにでてきたのでしょうか。設定集にある「最後は共闘してもよさそうなキャラ」との通り、ラストバトルで共闘する展開があっても良かったのではないでしょうか。

そしてこれまた序盤から顔見せ&中盤からも転校生のキーキャラっぽく描かれていたはずのサイカですが、彼女も正体を明かした後はテンマたちと一切接触することなくフェードアウトしてしまいました。個人的に当初は彼女が探検部の6人目のメンバーだったのではないかと推測しています。そうすればティンペットも男女3体ずつでバランスが取れますし、探検部の女性キャラの立ち位置も貧乳ワガママ・ロリ天然・巨乳腹黒とバランスよく分かれますし(酷)
加入の流れもメダリア探索アプリの時なら違和感ありませんし、途中裏切って離脱するも最終的には戻ってくれば上のダイジロウの件もまとめてクリアできます。


・教師陣とセレクト隊の皆さん
一緒にメダルイーターを止めるために立ち向かってどうなったんだよー。


・アイドル部とレスキュー部とメダロット研究会
同上。あと一度でいいからリュウセイに吼え面をかかせたかった。


・彼らのメダル
ラストではセレクト隊を除く上のメンツを操る事になりますが、彼らのパートナーに搭載されたメダルは探検部の面々が持っていないものばかりでメダフォースも専用の物が使えます。といいますか前作にあったメダルたちなんですが。実は当初ではもっと多くのキャラ・メダルが使える予定ではなかったのかと疑問が広がります。


・未使用のイベントCG
スタッフロールの後ろでゲーム中に表示されたイベントCGが表示されるのですが、その中には見たことのない一枚絵が何枚かあり、関連のイベントが削られたであろうことをそこはかとなく感じさせられます。


細かい部分で言えばまだまだいろいろありますが、個人的には当初実際の学校生活同様に1年間やるつもりだったのを年末商戦に合わせるためあんな中途半端なところで打ち切って発売したのではと邪推してしまいます。作中の時期としては体育祭の途中で10月~11月くらいでしょうが、感覚的にも約半分を過ぎたところで唐突に打ち切られてしまった印象です。



ボリュームが少ないと感じさせる要因はシナリオだけでなく、学院やダンジョンといったマップにも多々あります。

まず舞台となる島にある施設は基本的に学院と港町くらいのため移動できる場所は少なく、その移動にしても8同様全体マップ上から選ぶ形式になっているため嫌でも歩き回れる範囲の少なさが目に付きます。
学院内にしても教室や部室、寮の自室などには直で行けるため廊下や通路をイベント以外で通ることはありません。そして調べられる個所は8よりもさらに少なくなり、ほぼ0になってしまいました。
せっかく学校なのですから廊下に掲示物や張り紙をすることで調べる楽しみが生まれ、そういうのが世界観を感じさせる手助けになるというのに何を考えているのでしょうか。

島に存在するダンジョンもとてもダンジョンとは呼べないくらいほとんど一本道の短い通路のようなものばかりで、パズルは勿論仕掛けなんてものも何一つ存在しません。申し分程度にパーツ一式の入った宝箱が無造作に配置されている程度です。
そのくせ登場メダロットがより増えたせいで、そのマップだけにしか出現しないメダロットが非常に多く、その機体のパーツを手に入れるために何もない短いマップをウロウロする作業を繰り返す羽目になります。中盤以降メダリア合成が可能になるとメダリア素材集めのためにますます野良メダロットを狩る事になります。
また序盤から登場人物にほぼ全てのキャラにロボトルを挑めるようになりますが、ストーリーの時期によって居たり居なかったりと不明のため、結局のところ上と同様に戦える時に戦っておかないと目当てのパーツが手に入らないという強迫観念に捕らわれてしまいます。

こうまでシナリオやマップのボリュームが薄く、パーツや素材集めのためのロボトルを繰り返しているとナンバリングなのにパーツコレクションをしている気分になるというのもあながち間違いではないでしょう。


さて、これで言いたい事はほぼ全て語りました。

ただ、これらボリュームに対する不満というのは結局のところ9が良かったからこそ出る不満だという事を誤解してほしくありません。
ロボトルも面白く、探検部の面々のキャラクターも魅力的だった。
だからこそ彼らの活躍するストーリーをこんな中途半端な形で終わらせることなく、もっとたくさんしっかりと最後まで見たかった。
こういう思いが尽きません。

せっかくロボトル・シナリオ双方で素晴らしい作品になったというのに、本当にもったいないです。
何か書いててメダロット5を思い出しました。あれも学校が舞台でロボトル・シナリオどっちもよかったのに未完成っぽいのが一番のネックでしたが、今回の9も似たような状況です。メダロットはボリュームを持たせようとするとどこかが破綻するとでもいうのでしょうか。

本来であれば次回作に期待として締めたいところではあるのですが、この9の尻ギレトンボっぷりとそこから間を開けずにGMを発表したというその後の展開には嫌でも不信感を覚えますし、実際現在デルタアーツが解散した事を踏まえるともうこの路線の次回作を期待するのはほぼ無理と実感させられます。

という訳でゲームは面白かったのに何とも悲しい締めでまとめざるを得なかったメダロット9の感想でした。

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