NGD

かつてゲーオタだったかもしれない人の日記

連射王読了

さて「連射王」上下巻を読み終えた感想ですが…まぁ何ていうのでしょうか、7割「普通」残り3割「そんなバカな」と言う印象くらいですかねぇ。

一応まだご覧になっていない方のために感想は続きの方に書く事にします。アホみたいに長いです。

何故かと考えてみたのですが、この連射王の物語中において主人公には2つの大きな敵…という表現はふさわしくないですが、まぁ課題みたいなものがあります。1つは幼なじみの女の子との関係、もう1つはタイトルそのまま「連射王」という名のシューティングゲームへの挑戦です。他にもまぁ細かいのはいくつかありますが、この2つがメインといっていいでしょう。

1つ目の女の子との関係ですが、簡単に説明しますと、小さいころからお互い何でも知ってるはずだったけど、主人公の小さな嘘(ゲーセンへ行ったという事。女の子はゲーセンが嫌い)や女の子のいつもと違う行動から少しづつすれ違いが生まれる…。といった展開なのですが、別につまらなくはないのです。でも読んでいて新鮮味も欠けるのも事実でして、全体的によくある普通の青春小説と大差ないように私には感じてしまうのです。

そして2つ目です。それまでシューティングなどプレイした事の無かった主人公が、凄腕プレイヤーの連射王ベリーハードの1コインクリアを偶然見て、そこから自分もああいう風にできるものかと連射王に挑み始め、最終的には「連射王2」のファーストプレイ・1コインクリアに挑戦するというのが大まかな流れです。

この物語の異質なところはこのようにシューティングゲームを題材にしている事は言うまでもなく、シューティングをプレイしない方が読むと、前述の女の子との関係と合わせて一風変わった物語だと思われるでしょう。

筐体面から始まって、レバーの持ち方、連射の仕方、視点の置き方、nWAY弾の避け方、切り返しといった用語がたくさん登場し、説明されます。主人公はそれらを一つずつ身につけて上達していきます。これによってシューティングは漫然とプレイするのではなく、考えてプレイする事で勝利(クリア)へと近づけるゲームであるという事を主人公とシューティングを知らない読者は知っていくのです。

…でもこれってシューティングしている連中からしてみたら、別段新鮮味のある話ではないのですよね。物語中の主人公みたいに達人級のプレイヤーから教わったり、何時間も特訓とまではいかなくとも、いろいろプレイしていく中である程度は身についているものなのです。

極論を言ってしまえばどこかのプレイヤーのシューティングプレイ日記と同じなのですよ、この物語は。
だからそういうプレイヤーのをよく読んでいる、あるいは自分で書く事もある身からすればこの主人公の挑戦する様は「普通」なのです。

ただ全てが「普通」かと言えばそうでもありません。
読んでいて初めのうちは主人公が上達していく様子に、なるほどなるほどと多少共感を覚えました。ですが、途中から段々と共感できなくなっていき最終的には「そんなバカな」という言葉が出るまでになってしまったのです。

どの辺から共感できなくなっていったのかというと、主人公が詰まった時にゲーセンで例の達人級のプレイヤーからテクニックを教わりだす辺りからですね。その後その達人の彼女から彼の過去を聞いたり、達人の友人から仇をとってくれと言われたり、オイオイそんなドラマチックな展開ねーよという風に感じるようになってきたのです。

また主人公の上達ぶりもめざましく、シューティング未経験から約1ヶ月で「大連射」を1コイン・それもノーミスでクリアしてしまい、さらに1ヵ月後には続編「大連射2」のファーストプレイ・1コインクリアに挑戦します。
この物語中の「大連射」がいかほどの難易度かは私には想像できませんが、件の達人が挑戦したものに2ヶ月で挑むほどの上達ってどうなのよ。

もちろん主人公が何も努力せずに上達しているわけではありませんが、まず前半部分において主人公は高校生で毎日何時間も大連射をプレイしている訳ではありません。せいぜい2~3日に1~2回といった程度でいくら途中達人に教わったからとはいえ、そんな上手くいかないだろうと。

そして後半部分ですが、主人公はある理由から停学になってしまい、その期間中に特訓と称して1日何時間も同じシューティングをプレイし、ノーミス・ノーショットなど課題を次々とこなしていきます。

主人公ははじめから上手いわけではなく、練習によって上達していますが、その上達ぶりを見ていると天才としか言い様が無いです。シューティングをプレイしていて壁を感じるのは「どうしたらいいのかわからない場面」に遭遇した時ですが、主人公にもそれが全く無い訳ではないです。でもすぐに解決策を見つけてしまうのが一番天才っぽいです。

こういう風に感じるのは私が今まで本気でシューティングに立ち向かっていないだけであって、もしかしたら本気でやれば主人公くらい上達できる…とは思いたいのですが…。

こういう事から普通のプレイ日記を読んでいるような感覚でありながらそんなバカなと感じてしまったのです。

まぁノンフィクションではないからと言ってしまえばそれまでなのですが、実際にこんな都合良く上達できたら苦労しないぞとつぶやきつつももしかしたら…と思わせてくれた次第であります。

あと最後になってしまいたが、主人公がプレイしながらイメージしている「連射王」内の様子の描き方ですが、これはなかなか良かったと思います。
まるで実際に戦闘機に乗り込んで攻撃を回避し、敵を撃墜していく描写は、読者にシューティングプレイ時の緊張感と脳内補完を印象付けているといえるでしょう。これは実際のゲームプレイ画面を見せるよりも効果的だと個人的には思います。…実際プレイしたら何か想像していたよりもしょぼいとか言わないでくださいね(苦笑)

という事でこの川上稔さんという方のファンならともかく、シューティング話を期待して読む分には少し物足りないかなと言うのが私の感想になります。川上さんという方がシューティング好きだという事はよくわかるのですけどね。川上さんもシューティングも両方好きな方なら文句なしだと思いますが。それと1冊1800円はやっぱり高いです。1000円くらいなら買いやすいと思うのですけどねぇ。



ここからは直接ストーリーとは関係の無い余談というか読んでいて気になった小ネタ的箇所を。

まず舞台設定ですが、現代ではなく90年代前半です。
そして物語中で主人公が挑戦するシューティングの「連射王」、これのモチーフなのですが、まず真っ先に頭に浮かんだのは「雷電」です。ただ読み進めていくとわかるのですが、東亜プラン系や他の要素も入っています。「連射王」の出荷元が「連射王2」を最後に倒産という話や軍事計画みたいな名前というところからもそれはよくわかります。

次に各章のタイトルがモロにシューティングのタイトルをもじった、あるいはそのままなものが多く、知っている方からすれば非常にニヤニヤしながら読めるのではないかなーと思われます。例えば「19XX」「怒るが」「プラスアルファ」「撃鉄の開拓史」「烈火の如く」などなど。あっ、ちなみにそれらのゲームが物語中に登場することは一切なく、多分各章の内容もほとんど関係ないので期待していけません。あくまで作者の方からシューティングプレイヤーへのお遊びみたいなものです。

そして上巻の巻末には「縦スクロールSTG概史」と題して、縦シューの代表的な作品の登場時期と解説が4ページに渡って掲載されています。
約50本の解説はなかなか的を得ていてその作品を知らない方にもどういう内容か大体理解してもらうには十分だと思います。
ちなみに参考文献に「それポン」副読本とも言える「アーケードゲームTVリスト」の名があってニヤリとしてしまいました。はっはーん、川上さん、あんたも読んでますな…。
惜しむらくは縦シューのみで横シューが一切触れられていないという事。といいますか、物語中でも横シューの描写は一切ありません。ちくしょう、「連射王」横シューバージョンも書いてください。

えーと後は…主人公の家にあるゲーム機はメガドライブ、途中チラッと出てくるレースゲームはたぶんリッジレーサー、次世代機が何かはワカリマセン。縦置きはいろいろ問題があるので断りを一言入れておいたほうがいいと思います。真似して壊れたとか言う苦情が来るかもしれませんよ、冗談抜きで。

最後に、全文にわたって注意したい事を。


基盤じゃなくて基板!

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://blog01.blog31.fc2.com/tb.php/438-3d1ca083
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad